更新日: 2022.12.14 その他年金
「障害年金の請求」は社労士に依頼すべき?自分でできる場合と依頼すべき場合を解説
ホームページの主な目的は、社会保険労務士(以下、社労士)が障害年金の申請を代行して報酬を得るために、障害年金を請求する人を集客することです。障害年金の請求は難しいといわれることもありますが、そもそも社労士に依頼しないと手続きができないものでしょうか。
本記事では、障害年金の請求は社労士に依頼すべきかどうかについて解説します。自分でできるケースと依頼すべきケースも紹介しますので、これから障害年金を請求する人は参考にしてください。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
障害年金の請求に必要な手続き
障害年金を請求できるのは、障害の原因となった病気やけがなどで初めて病院に行った日(初診日)から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)、または現在所定の障害状態にある人です。
初診日を病院で確認してから、障害年金の受給要件を確認したり、障害認定日や現在の診断書を取り付けたりするのが一般的です。そのため、年金事務所や病院に何度も足を運ばないといけないこともあり、請求者にとっては負担です。
特に初診日に受診した病院と障害認定日に受診した病院、現在通院中の病院が異なる場合は、3つの病院で初診日の証明や診断書を取り付けないといけないケースもあります。また、請求内容によっては戸籍謄本や所得証明書が必要なケースもあり、本籍地が遠隔地の場合は手間がかかります。
障害年金の請求に必要な主な手続きは次の4つです。
・病院で診断書などを取り付ける
・市役所で戸籍謄本などを取り付ける
・必要書類を確認するために年金事務所に複数回相談に行く
・自宅で提出に必要な書類に記入する
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社労士に依頼する内容
障害年金の請求内容によっては、請求書提出までに多くの時間と労力を要します。請求者が自分でできない(または、時間と労力を省きたい)場合、報酬を支払って社労士に申請を代行してもらう方法もあります。
社労士に依頼する内容は、社労士との契約によって決まります。病院や市役所、年金事務所での手続きや書類の記入一切を依頼するケースもありますし、手続きに関するアドバイスをもらうだけのケースもあります。
代理人には診断書を交付しない病院もあるため、診断書の取り付けは請求者が行い、その他の手続きを社労士に依頼することもあります。
社労士に支払う報酬
社労士に支払う報酬は社労士事務所によって異なるため、契約時にしっかり確認することが必要です。主な確認事項は次の通りです。
・基本報酬は定額か、年金受給額の一定割合(1年間の年金額の15%など)か
・着手金が必要か不要か
・障害年金がもらえなかったとき、報酬が必要か不要か
・手続きに伴う諸経費は基本報酬に含まれるか、別途支払うのか など
特に注意が必要なのが、基本報酬を「年金受給額の一定割合」とするケースです。年金受給額とは、「どの期間」の年金なのかをしっかりと確認しましょう。
「1年間の年金額の15%」や「年金の2ヶ月分」などは分かりやすいですが、「初回振込額の15%」などは要注意です。障害年金は過去にさかのぼって支給されるケースがあり、最大5年分の年金が初回振込時に支払われます。年金額が100万円で5年分が初回振り込みされる場合、「初回振込額の15%」ならば報酬は75万円(=500万円×15%)と高額になります。
また、請求者が依頼しやすいように、着手金を無料にしたり、障害年金に該当したりしなければ報酬は不要としている社労士事務所もあるので、事前、または初回相談時に確認しておきましょう。
社労士への依頼が不要なケース
障害年金の請求にあたっては、前述の「障害年金の請求に必要な手続き」が自分でできれば、社労士への依頼は不要です。
障害に関する基本情報(障害状態や通院・入院歴など)をまとめて年金事務所に相談に行けば、必要な手続きや書類を案内してもらえます。年金事務所には数回行かなければなりませんが、原則社労士に頼まなくても自分で手続きできます。
社労士に依頼した方がいいケース
社労士に手続きを依頼した方がいいのは、次のようなケースです。
・歩行困難など自分で病院や年金事務所に行けない人で代理人がいないケース
・仕事が忙しい人など、報酬を支払ってでも手間や時間を省きたいケース
・障害の認定が難しい病気などで、専門知識のある社労士がいた方が認定されやすいケース
特定の難病や精神障害などに詳しいことをアピールする社労士事務所などもあります。
状況に応じて社労士への依頼の可否を判断しよう
障害年金の請求は、原則請求者本人が自分でできます。年金事務所で相談すれば、必要な手続きを詳しく案内してもらえます。
ただし、障害のため手続き困難な場合や請求の手間や時間を省きたい場合など、社労士に依頼するという選択肢もあります。社労士への報酬も考慮して、状況に応じて社労士への依頼の可否を判断しましょう。
出典
日本年金機構 年金請求書提出までの流れ
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級