更新日: 2022.12.15 その他年金
面倒な「障害年金の手続き」を短縮する方法とは?
この記事では、面倒な障害年金手続きを短縮する方法について解説します。これから障害年金を請求しようと考えている人は参考にしてください。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
障害年金請求の3ステップ
障害年金を請求できるのは、障害の原因となった病気やけがなどで初めて病院に行った日(初診日)から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)以降です。「初診日がいつか」「障害認定日の障害はどの程度か」などを確認するために、次の3つのステップに従って請求するのが一般的です。
ステップ1:初診日を確認する
最初のステップは、初診日を確認することです。初診日に国民年金のみに加入している人は「障害基礎年金」、厚生年金に加入している人は「障害厚生年金」の対象です。
年金事務所の初回相談時に渡される「受診状況等証明書」を初診日の病院で記入・証明を受けて、初診日を確認します。
ステップ2:障害認定日と受給要件、必要書類を確認する
2つ目のステップは、障害認定日と受給要件、必要書類などの確認です。受診状況等証明書の記入・証明を受けたら、年金事務所に2回目の相談に行きましょう。
受診状況等証明書により、「初診日に加入している年金制度」や「保険料の納付要件」、「障害認定日」などが判明し、年金事務所から請求に必要な診断書や書類を案内されます。
ステップ3:必要書類を準備して年金請求書を提出する
3つ目のステップは、必要書類を準備して年金事務所に提出することです。障害年金の審査には時間がかかるため、年金事務所で申請書類が受理されてから年金が支給されるまで4ヶ月以上かかることもあります。
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ステップ1の手続きは短縮可能
ステップ1の「初診日の確認」手続きを短縮すれば、年金事務所に行く回数(原則3回)を1回減らせます。通常、年金事務所の初回相談では、障害状況の確認や障害年金の仕組みの説明があり、受診状況等証明書が手渡されます。
障害年金の仕組みを自分で調べて初診日の病院がどこかを自分で判断できれば、日本年金機構のホームページで受診状況等証明書の入手が可能です。初診日の病院で受診状況等証明書の記入・証明を受ければ、年金事務所での通常の初回相談が省略できます。
相談予約が取りにくいケースや、障害状態によって年金事務所への往復が大変なケースもあるため、年金事務所に行く回数が減らせるのは大きなメリットといえます。
手続きを短縮するときの注意点
自分で受診状況等証明書を入手し請求手続きを短縮する場合、次の2点に注意しましょう。
注意点1:初診の病院を間違わない
注意点の1つ目は、初診の病院です。初診の病院とは、障害の原因となった病気やけがなどで初めて診療を受けた病院のことです。
具合が悪くなって行ったA病院では原因がわからず、B病院を紹介されて受診し原因や病名が判明したケースなどは注意しましょう。初診の病院は、病名が判明したB病院ではなく初めて診療を受けたA病院です。
注意点2:受診状況等証明書を省略できるケースがある
注意点の2つ目は、受診状況等証明書を省略できるケースがあることです。初診の病院と診断書を取り付ける病院が同じ場合や先天性知的障害の場合、受診状況等証明書は必要ありません。
初診の病院に確認するなどして事前に初診日が明確になれば、年金事務所での手続きは2回で済む可能性もあります。
初診日が明確になれば手続きを簡素化することも可能
自分で受診状況等証明書を入手し事前に記入・証明を受ければ、障害年金の請求手続きは短縮できます。ただし、初診の病院を間違えたりすると、かえって無駄な時間や手間をかけたことになるので注意しましょう。
障害年金制度や手続きについて自分で理解し初診日を明確にできれば、自己責任で請求手続きを簡素化することもできます。
出典
日本年金機構 障害年金
日本年金機構 年金請求書提出までの流れ
日本年金機構 受診状況等証明書を提出するとき
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級