更新日: 2022.12.21 その他年金

会社員時代の平均年収が500万円だったら、年金はいくらもらえるの?

会社員時代の平均年収が500万円だったら、年金はいくらもらえるの?
年収500万円の場合、年金をいくらもらえるのでしょうか?
 
会社員が受給できる老齢厚生年金は、標準報酬月額によって金額が決まります。この標準報酬月額は年収などによって変化していくもので一定ではありません。
 
また年収も、年齢や能力などさまざまな要素で変化していくものなので、社会人1年目から退職するまで、変わらずに500万円だったということもないでしょう。
 
そこで、社会人1年目から60歳で退職するまでの年収が、平均で500万円だったと仮定し、その場合に年金がいくらもらえるのか、解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金額の求め方

会社員の年金額は、老齢基礎年金、老齢厚生年金によって構成されています。そして、老齢厚生年金はさらに報酬比例部分、経過的加算、加給年金で構成されていて、それぞれ計算します。
 
ここでは、会社員時代の平均年収500万円の65歳の男性Aさん(2022年現在)で、国民年金の保険料もすべて納付していると仮定し、63歳の妻Bさんと2人家族だった場合で計算します。
 

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老齢基礎年金の計算

老齢基礎年金は、国民年金の保険料納付の期間によって変化します。2022年度の老齢基礎年金の1年の満額は77万7800円です。
 
計算式は、77万7800円×保険料納付期間÷480月です。今回の男性Aさんは、国民年金の保険料をすべて納付しているので、77万7800円満額を受け取れます。
 

老齢厚生年金の計算

老齢厚生年金は報酬比例部分、経過的加算、加給年金の合計です。報酬比例部分については、2003年3月以前と2003年4月以降で計算式が異なるので、分けて計算します(円未満四捨五入)。
 

2003年3月以前の報酬比例部分

計算式は、平均標準報酬月額×(7.125÷1000)×加入期間の月数です。Aさんは20歳から厚生年金保険の被保険者になっているとします。
 
これを今回の事例に当てはめると、41万6667円×(7.125÷1000)×312で、92万6251円となります。
 

2003年4月以降の報酬比例部分

2003年4月以降の報酬比例部分の計算式は、平均標準報酬月額×(5.481÷1000)×加入期間の月数です。
 
同様にAさんの事例に当てはめてみると、41万6667円×(5.481÷1000)×168で、38万3670円となります。
 

経過的加算について

経過的加算は、昭和61年に老齢基礎年金ができた際に、その前後の差額を埋めるためのもので、特別支給の老齢厚生年金を受け取っていた人が対象になります。
 
男性の場合は昭和36年4月1日以前生まれ、女性の場合は昭和41年4月1日生まれの人が対象です。
 
また、老齢基礎年金の受給資格があり、厚生年金保険に1年以上加入していること、受給資格年齢に達していることも要件です。
 
Aさんはこの要件を満たしているので、経過的加算も受け取れます。
 
計算式は、定額部分-77万8800円×(厚生年金の被保険者日数÷480)です。定額部分については、令和4年4月から1621円×厚生年金の被保険者日数となっています。
 
これを本事例に当てはめると、1621円×456-77万7800円×(456÷480)で、266円となります。
 

加給年金について

Aさんが65歳になったときに、配偶者が65歳未満であれば、加給年金も受け取ることができます。
 
事例ではAさんが65歳、妻Bさんは63歳なので、加給年金の対象になります。加給年金は22万3800円です。
 
また、老齢厚生年金を受けている人の生年月日によって、配偶者の加給年金に特別加算の金額が上乗せされます。Aさんの場合は16万5100円が加算されるので、加給年金の金額と併せると38万8900円です。
 

老齢厚生年金の合計額

報酬比例部分92万6251円と38万3670円、経過的加算266円、加給年金38万8900円を合計し、169万9087円が老齢厚生年金の受給額になります。
 

老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額

Aさんは老齢基礎年金77万7800と老齢厚生年金169万9087円を受け取れます。合計額は1年で247万6887円です。 
 
この年金額は、会社員時代の平均年収が500万円だった、63歳の妻Bさんと2人暮らしの65歳男性Aさんを例に計算しましたが、実際は標準報酬月額が変動するので、ここまで分かりやすくはありません。しかし、今回の事例を参考に、ご自身の年金についても考えてみてください。
 

ご自身の年金額も計算してみましょう

本記事では、社会人1年目から60歳で退職するまでの年収が平均で500万円だったと仮定し、その場合に年金がいくらもらえるのかについて解説してきました。
 
おおよその年金額について参考になれば幸いです。計算式は基本的に変わらないので、ご自身の年金についても当てはめてみましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 は行 報酬比例部分

日本年金機構 た行 定額部分

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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