更新日: 2022.12.21 国民年金

【年間9万6000円が上乗せ!?】「付加年金」で年金受給額が増えるって本当? どんなしくみなの?

執筆者 : 東本隼之

【年間9万6000円が上乗せ!?】「付加年金」で年金受給額が増えるって本当? どんなしくみなの?
将来受け取れる年金を少しでも増やしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。そういった場合の一つの方法として、納付する税金を減らしながら、将来の受給年金額を増やせる「付加年金」の活用を検討してみましょう。
 
本記事では、付加年金を活用するメリットと注意点を詳しく紹介します。将来の受給年金額を少しでも増やしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
東本隼之

執筆者:東本隼之(ひがしもと としゆき)

AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

金融系ライター・編集者 | SEO記事を中心に200記事以上の執筆・編集を担当 | 得意分野:税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続 など | 難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えるのを得意としている。

●難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えることが得意
●専門用語をなるべく使わずに説明します
●漠然と抱えている「お金の不安」を取り除きます
●お悩みに寄り添ったアドバイスを行います

付加年金とは

付加年金とは、国民年金保険料に毎月400円上乗せして納付することで、将来の受給年金を増額できる制度です。付加年金を利用するには、以下の要件のいずれかを満たす必要があります。

●国民年金第1号被保険者である
●任意加入被保険者である(65歳以上の方を除く)

付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」で計算され、老齢基礎年金の受給期間中であれば恒久的に受け取れます。例えば、20歳から60歳まで付加保険料を納めていた場合は「200円×480月(40年)=9万6000円」となり、年間9万6000円が老齢基礎年金に上乗せされます。
 

付加年金に加入するメリット

付加年金に加入すると、節税効果が見込めたり、受給期間によっては必ず得をしたりするメリットがあります。ここでは、付加年金に加入するメリットを詳しく紹介します。
 

節税効果がある

付加年金として納付した保険料は、所得控除の対象となります。そのため、納付した年の所得税と住民税の納税額を抑える効果があります。所得が多い世帯であれば、所得税率が高く設定されているため、より大きな節税効果が見込めるでしょう。
 

受給期間が2年以上であれば必ず得をする

先述した通り、付加年金の受給額は「200円×付加保険料納付月数」で計算され、老齢基礎年金の受給期間中に合わせて支給されます。そのため、以下の計算のように2年以上の受給期間があれば、納付金額以上の年金を受け取れます。

納付保険料

400円 × 480ヶ月 = 19万2000円(年額)

付加年金額

200円 × 480ヶ月 = 9万6000円(年額)

納付保険料を受け取るために必要な期間

19万2000円 ÷ 9万6000円 = 2年間

 

付加年金の注意点

付加年金は、節税をしながら将来に備えられる便利な制度ですが、利用時には以下の注意点を押さえておきましょう。

●国民年金基金と併用できない
●インフレの影響を受ける

 

国民年金基金と併用できない

付加年金は国民年金基金と併用することができません。国民年金基金とは、付加年金と同様に老齢基礎年金に上乗せして受け取れる制度です。国民年金基金の掛け金と給付金額は、加入年齢や給付種類、口数によって異なるので、付加年金と比較をした上で、自身に合ったものを選びましょう。
 

インフレの影響を受ける

付加年金の受給額は、保険料納付月数に応じた定額となっているため、インフレによる物価上昇の影響を受けやすくなります。インフレの影響を最小限に抑えるためにも、つみたてNISAやiDeCoなど、インフレに対応しやすい制度と併用することをおすすめします。
 

老後の備えには付加年金を活用しよう

付加年金は、節税をしながら将来の受給年金額を増やせる便利な制度です。しかし、インフレの影響を受けやすい反面もあるので、つみたてNISAやiDeCoなどと併用しながら、将来に備えることが大切です。
 

出典

日本年金機構 付加年金
日本年金機構 付加保険料の納付のご案内
国民年金基金連合会 掛金について
 
執筆者:東本隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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