更新日: 2022.12.28 国民年金

ねんきん定期便が届いたら、何を確認すればいい?

ねんきん定期便が届いたら、何を確認すればいい?
「ねんきん定期便」について、みなさんはきちんと確認していますか?
 
はがきタイプと封書タイプの2種類がありますが、どちらも年金受給に関して、とても重要な内容が記載されています。
 
定期便が届いたら、必ず確認してほしいポイントをお伝えします。
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

毎年被保険者に届く「ねんきん定期便」

「ねんきん定期便」は、年金制度(国民年金・厚生年金保険)の被保険者に毎年誕生月(1日生まれの人はその前月)に届くお知らせです。節目年齢である35歳、45歳、59歳は封書に入った定期便が届き、それ以外の年齢でははがき形式の定期便で届きます。
 
それぞれ自身の年金加入記録や年金額について記載されていますが、記載内容は若干異なっています(【図表1】、【図表2】)。
 


 

 

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記録にもれや誤りがないか?

定期便が届いたら、年金加入記録にもれや誤りがないかを確認することが大切です。過去に加入していたはずの期間がなかったり、その期間が違っていたりしないかを見ます。
 
もし、記録のもれや誤りがある場合、封書形式の場合は同封の「年金加入記録回答票」に追加、修正する内容を書いて返送します。ハガキ形式の場合は「ねんきん定期便ダイヤル」へ問い合わせをします。
 
年金事務所の窓口で記録を調べてもらうこともできます。定期便に載っていなかった記録を調査してもらい、その結果記録が見つかって記録訂正で加入記録が増えることになれば、その分年金額も増えることにつながります。
 
このように、まず自身の記録確認のために定期便が活用できるといえます。
 

年金の見込額で将来の見通しを立てる

定期便には、老齢年金を受けられるようになる年齢やその将来の額についても表示されています。50歳未満の人については現時点での加入記録で計算された年金額、50歳以上60歳未満の人については、現在(作成時)の加入条件が60歳まで続くことを前提とした年金見込額が表示されています。
 
表示される数字でどれくらい受給できるかのイメージができますが、当然記載されている額が将来そのまま受けられるわけではありません。年金額自体、経済情勢によって毎年度改定がされますし、自身の加入条件に変化があると、翌年に届く見込額にも変化が生じます。
 
現在、在職中(厚生年金加入中)で今後給与が下がったり、退職を予定していたりする人は翌年以降の見込額の変化についてしっかり把握しておくことが重要です。
 

「年金が増えるか」「年金を増やせないか」の確認を

一方、60歳以降も引き続き年金制度に加入すると、その分年金を増やすことができます。定期便は60歳以降も年金制度の被保険者となれば届きます。年金の受給時期が近づくにつれ、より現実に近い見込額(これまでの加入実績に応じた額)が表示されますが、毎年その見込額は確認しておきましょう。
 
また、老齢厚生年金に加算される加給年金や老齢基礎年金に加算される振替加算については定期便には表示されていませんので、将来自身が対象となりそうか、こちらもあらかじめ確認するとよろしいでしょう。
 
なお、年金受給に必要な120月以上の加入期間(未納期間を除く)がないとされている人の場合、そもそも見込額は表示されません。この場合、先述の加入記録のもれなどがないか、120月以上必要な受給資格期間に算入できる合算対象期間(カラ期間)がないか、年金事務所で相談することが大切です。
 
定期便を上手に活用しながら老後資金について早めに備えられると良いですね。
 
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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