更新日: 2022.12.28 厚生年金

厚生年金を月「5万円」もらいたい! 現役時代の年収はいくらならいい?

執筆者 : 柘植輝

厚生年金を月「5万円」もらいたい! 現役時代の年収はいくらならいい?
老後の生活を考えるに当たり、将来受け取れる老齢年金の金額について想定しておくことは重要です。
 
仮に厚生年金を最低でも毎月5万円は受け取りたいと考えたとき、現役時代の年収はどれくらいあればいいのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

厚生年金の支給額はどう決まるのか

厚生年金の支給額は、厚生年金の加入期間中に支払ってきた保険料の額におおむね比例します。その理由は、厚生年金の支給額は報酬比例部分を基礎として決まるからです。
 
報酬比例部分は支払ってきた厚生年金の保険料に比例し、保険料は毎月の給与や定期的に受け取る賞与の金額によって決まります。
 
つまり、将来受け取りたい厚生年金の金額に対して、厚生年金加入期間で必要な年収はどれくらいになるかを考えれば、老後の生活を見据えた目標となる年収がある程度見えてきます。
 

厚生年金額の計算は意外と大変

では、例えば毎月5万円の厚生年金を受け取るには、現役時代どれくらいの年収や厚生年金の加入期間が必要なのか確認してみましょう。
 
とはいえ、厚生年金の受給額から必要な年収などを計算するのは大変で、報酬比例部分だけでも計算式は加入期間によって下記のように異なります。
 
【図表1】


 
出典:日本年金機構 「は行 報酬比例部分」
 
ただし、大まかな受給額や条件であれば厚生労働省の公的年金シミュレーターを利用することで簡単に確認ができます。
 

厚生労働省の公的年金シミュレーターとは

厚生労働省の公的年金シミュレーター(2022年12月時点で試験運用中)とは、生年月日や年収、何歳まで働き、何歳で年金を受け取るかといった簡単な情報を入力するだけで、将来受け取れるおおよその年金額を試算できるサービスです。
 
しかし、あくまでも指定した条件での簡易的な試算の結果(年金の見込み受給額)であるため、実際の年金額と必ず一致するわけではないことに留意しておかなければなりません。
 

厚生年金を月5万円受け取るために必要な年収などの目安

公的年金シミュレーターを使って、厚生年金を毎月5万円受け取るために必要な条件を確認してみましょう。
 
例えば、試算の条件を下記のように設定します。

・1980年4月3日生まれ
・年収は250万円
・23歳から65歳まで厚生年金に加入して就労
・年金は65歳から受給

この条件での試算では、65歳時に受け取る年金は年間137万円、66歳からは年間140万円で、毎月の年金額はおおよそ11万5000円となります。
 
【図表2】


 
出典:厚生労働省 「公的年金シミュレーター(試験運用中)」
 
このうち、国民年金(令和4年4月分から)が月額で約6万5000円となるため、その分を差し引くと厚生年金の支給額は月額5万円程度と分かります。つまり、厚生年金加入期間などを上記の条件とした場合では、平均年収が250万円程度であれば、65歳から毎月5万円ほどの厚生年金を受け取れるという試算です。
 
ただし、働き方によって厚生年金の加入期間が変わったり、年収が下がった場合などでは、受け取る厚生年金が月額5万円を下回る可能性もあります。
 
なお、公的年金シミュレーターでは、毎年の誕生月に届くねんきん定期便に記載されている二次元コードの読み取りが可能な場合、試算に必要な項目を自動入力することもできます。また、詳細な条件による将来の年金見込額は、日本年金機構のねんきんネットでも試算可能です。
 

まとめ

老齢年金として毎月5万円の厚生年金を受け取りたいのであれば、現役時代の約40年間で250万円程度の平均年収が必要となりそうです。
 
働き方や年収によって、将来どのくらいの年金が受け取れるのか目安を知りたいという場合、公的年金シミュレーターやねんきんネットでの試算を参考にしてみてください。
 

出典

日本年金機構 は行 報酬比例部分
厚生労働省 公的年金シミュレーター(試験運用中)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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