更新日: 2023.01.12 iDeCo(確定拠出年金)

個人年金保険とiDeCoはどっちがお得? 選び方とメリット・デメリットは?

個人年金保険とiDeCoはどっちがお得? 選び方とメリット・デメリットは?
老後資金を用意する場合、個人年金保険とiDeCo(個人型確定拠出年金)はよく選択肢に上がります。2つの年金には仕組みに大きな違いがあります。個人年金保険とiDeCoのメリット・デメリットなどについて解説します。

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菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

個人年金保険のメリット・デメリット

個人年金保険は民間の保険会社が提供する保険商品で、将来の年金額が保険契約時に決定している「定額型」と、外貨による運用を行い、その結果によって将来の年金額が変動する「変額型」に大別されます。
 
定額型は元本割れなどのリスクがありませんが、将来の年金額が確定しているため、インフレの進行具合によっては年金額が足りなくなってしまうかもしれません。
 
一方で変額型は国内外の債券や株式などで投資を行うため、その成果によってはインフレリスクにも対応できる可能性があります。しかし、元本保証のない投資を組み込んでいるため、投資の成果によっては損失を来たして将来受け取る年金額が減少してしまう恐れがあります。
 
定額型・変額型個人年金保険のメリットは、老後資金の準備と万が一の際の死亡保障を併せ持っている点です。
 
被保険者が個人年金保険の年金を受け取る前に死亡した場合は、被保険者が支払った保険料以上の死亡給付金を受け取ることができます。
 
その反面、保険料に関する節税効果は限定的です。個人年金保険で支払った保険料は所得控除の一種である「個人年金保険料控除」に該当するため、その控除額は最大4万円までとなります。
 

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iDeCoのメリット・デメリット

iDeCoは厚生年金や国民年金の給付金に上乗せができる年金制度です。自身で月々の掛金と掛金の運用方法を決定できるなど自由度の高さが特徴です。
 
iDeCoのメリットは自身で運用方針を定めることができ、低リスクの定期預金からハイリスクの投資信託まで幅広い運用商品を選ぶことができます。このため、個人年金保険よりも高い投資成果を得られる可能性があります。
 
また、掛金が全額所得控除される「小規模企業共済等掛金控除」に該当し、節税効果が比較的高いといったメリットもあります。
 
デメリットとして、定期預金などの低リスクの運用方針に偏りすぎるとインフレリスクに対応しきれない点と金融商品による運用の場合、ある程度の専門知識がないと投資商品を適切に選択できない点があります。
 
また、解約に関しても一定の制限があり、原則として60歳まで掛金を引き出すことはできませんし、保険効果もありませんので支払った掛金と運用成果以上の給付金は受け取ることができません。
 

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まとめ〜個人年金保険とiDeCoの選び方〜

個人年金保険は資産形成と保険商品としての側面もあり、家族のために死亡保障を充実させつつ老後資金の資産形成も進めたい場合に適していますが、節税効果は限定的になっています。
 
iDeCoは資産形成のための優遇制度となっており、掛金拠出時は小規模企業共済で全額所得控除され、掛金とその運用成果は、控除枠の大きい退職所得や公的年金所得として受け取ることができます。サラリーマンなど節税手段の少ない方にはメリットの大きい制度となっています。
 
両制度の使い分けとして、サラリーマンなどで節税効果が少ない場合はiDeCoによる節税効果を活かしつつ、還付金を原資に個人年金保険などに資金を割り振っていくとよいでしょう。
 
また、所得が少ない場合はiDeCoの節税効果も低下してしまいます。所得が少ない場合やフリーランスなどで死亡保障を手厚くしておきたい場合などは個人年金保険を利用することをおすすめします。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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