更新日: 2023.01.27 その他年金

60歳以降に働きながら「年金」をもらうことはできる?「減額」や「支給停止」になる場合もあるって本当?

60歳以降に働きながら「年金」をもらうことはできる?「減額」や「支給停止」になる場合もあるって本当?
年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられたことによって、60歳以降も働く人が増えてきました。ここで気になるのが「働きながら年金はもらえるのか?」という点です。本記事では、64歳まで働いていてどのくらい年金をもらえるかなどを試算しながら解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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働きながら年金はもらえます。でも注意が必要

結論から先に述べると、60歳以降も働き続けても年金はもらえます。しかし、給料(ボーナスを含む)と年金額の合計に応じて、年金額の減額や停止が行われます。このしくみは「在職老齢年金」と呼ばれています。
 
この制度は、働いて収入があるのなら、一定額以上の年金は必要ないだろうという考え方によって決定されたものです。令和4年4月から、在職老齢年金の月額が引き上げられ、今まで収入が多くて年金を削られていた人の年金受取額が増えるようになりました。
 

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「在職」とはどんな場合を指す?

在職老齢年金の「在職」とは、厚生年金に加入している勤務先で働くことを指します。そのため「5人未満の個人事業所で働く(厚生年金の適用にならない)」や「所定労働時間が短時間のアルバイト・パート」、その他に自営業や不動産収入を得ている場合なども在職老齢年金の対象外です。
 

今の年金が減額されない収入金額は、どのくらい?

60歳から64歳の人が、年金を受け取りながらも在職老齢年金の対象にならない収入金額はどれくらいでしょうか?
 
対象になるかを求める計算式は(年金月額+総報酬月額相当額-基準額47万円)÷2です。なお、令和4年3月までの基準額は「28万円」でした。
 

<計算例> 年金月額15万円、総報酬月額25万円のAさんの場合
 
・改正前の基準額28万円の場合
年金月額15万円+総報酬月額25万円=合計月額収入40万円
年金停止額は 合計月額収入40万円-基準額28万円÷2=毎月6万円が減額(年間で72万円減額)
 
・現在の基準額47万円の場合
年金月額15万円+総報酬月額25万円=合計収入40万円
基準額47万円以下なので、年金が減額されません。

 

今の年金が減額される収入金額はどのくらい?

月の収入金額が47万円を超える場合、以下の計算式での金額が減額されます。
 
年金月額-(年金月額+総報酬月額相当額-基準額47万円)÷2
 

<計算例> 年金月額30万円、総報酬月額25万円のBさんの場合
 
年金月額30万円-(年金月額30万円+総報酬月額25万円-基準額47万円)÷2=毎月4万円の減額(年間で48万円減額)

 
※「年金月額」とは、加給年金を除いた老齢厚生年金の月額。「総報酬月額相当額」とは(標準報酬月額)+(1年間の賞与額の合計÷12)。
 

まとめ

年金をもらいながら働く生活を充実させるには、まずは自分がもらえる年金額を知り、年金が減額されない範囲内で働くのが良いと言えるでしょう。64歳以後も働きながら厚生年金に加入して厚生年金保険料を納め続けている場合、65歳から70歳までは年に1回、納めた保険料分が年金額に反映されます。
 

出典

日本年金機構 在職中の年金(在職老齢年金制度)

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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