更新日: 2023.01.30 厚生年金

「年収800万」で賞与は年3回「200万」です。将来の「年金受給額」はいくらですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「年収800万」で賞与は年3回「200万」です。将来の「年金受給額」はいくらですか?
将来の年金額を考える際、厚生年金に加入している場合は「標準報酬月額」や「標準賞与額」が受給額に影響します。
 
「賞与」は関係あります。会社員などが加入する厚生年金の保険料は標準報酬月額と標準賞与額などを基に算出され、年金額も給与や賞与などによって異なるからです。老後の生活設計を考えるうえでも、将来の年金額を知っておいて損はありません。
 
そこで、本記事では厚生年金の概要や厚生年金保険料の仕組みと年金額を知るための方法などを解説します。
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厚生年金の概要

公的年金には国民年金(基礎年金)と厚生年金の2種類があります。会社員や公務員などが加入するのは、国民年金と厚生年金の両方です。厚生年金に加入済みの会社や官公庁などの適用事業所に常時使用されている70歳未満の人は、国籍や性別、年金受給の有無に関係なく原則被保険者になります。
 
事業主と被保険者で折半される保険料は、毎月の標準報酬月額と標準賞与額や加入期間を基に算出されるため、将来の年金額も給与と賞与の金額や加入期間によって異なります。
 

厚生年金保険料の仕組み

厚生年金保険料は、標準報酬月額と標準賞与額に共通の保険料率をかけて算出します。
 

・標準報酬月額

標準報酬月額は、毎月の給与(基本給と各種手当などを含む税引前の給与)を、1等級(8万8000円)~32等級(65万円)に区分した報酬月額に当てはめて決定した金額のことです。
 

・標準賞与額

標準賞与額は、税引前の賞与から1000円未満を切り捨てた金額のことで、支給1回につき150万円が上限とされています(同月に2回以上支給された場合は合算する)。なお、この場合の賞与とは、名称に関係なく労働者(被保険者)が受け取る年3回以下の労働対価のことです。
 

・自分の保険料を知る方法

厚生年金の保険料率は、平成29年9月から18.3%で固定されています。保険料を算出するためには標準報酬月額や標準賞与額に保険料率をかける必要がありますが、日本年金機構の「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」にアクセスすれば、計算不要で保険料の確認が可能です。
 

・年収800万円で年3回の賞与の合計が200万円の人の保険料

年収800万円のうち賞与が200万円の人の給与は月額50万円です。「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」によると、給与が50万円の人の厚生年金保険料の自己負担額は月額4万5750円となっています。
 
一方、年3回支給される賞与の総額が200万円の場合は1回分の額が66万円程度のため、厚生年金保険料の自己負担額は1回につき5万9475円です。そのため、年収800万円のうち賞与が200万円の人の厚生年金保険料の自己負担額は、1年間の給与と3回分の賞与の保険料を合わせて年間72万7425円になります。
 

厚生年金の年金額を知るための2つの方法

厚生年金の年金額は以下の2つの方法で知ることができます。
 

・報酬比例部分の算出

厚生年金の年金額の基礎になるのは報酬比例部分です。報酬比例部分は次の計算式で算出できます。平成15年3月以前の加入期間がある人の報酬比例部分の計算式は、「平均標準報酬月額」に「1000分の7.125」と「平成15年3月までの加入期間の月数」をかけることで算出可能です。
 
また、平成15年4月以降に加入期間がある人の報酬比例部分は、「平均標準報酬額」に「1000分の5.481」と「平成15年4月以降の加入期間の月数」をかけることで算出できます。両方に加入期間がある場合は2つの金額の合算が必要です。
 

・ねんきんネット

日本年金機構の「ねんきんネット」にアクセスして「将来の年金額を試算する」というボタンをクリックすれば、将来の年金総額を知ることができます。
 

将来の年金額を知って老後に備えよう

厚生年金の保険料は標準報酬月額と標準賞与額によって決まります。保険料は事業主との折半で、保険料率は日本年金機構の「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で確認可能です。
 
また、年金額も給与と賞与と加入期間によって異なるため、報酬比例部分の算出や「ねんきんネット」で将来の年金額を把握して老後に備えましょう。
 

出典

日本年金機構 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 適用事業所と被保険者
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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