「年金請求書」の提出を6年放置した場合、今までの年金は「失効」になるの?
配信日: 2023.02.15
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年金を受け取るには?
年金は65歳になったら受け取れるのが原則です。この点については多くの方が既にご存じのことと思います。しかし、年金は65歳になったら自動で振り込まれるわけではないということを知らない方も少なくないでしょう。
年金の受給には年金の請求手続きが必要となります。言い換えると受給の手続きを取らないと65歳になろうが、そこから5年経過し70歳になろうが、さらに6年たとうがいつまでも年金が受け取れないままとなってしまうことになります。
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年金請求書とは
年金の受け取り手続きは年金請求書の提出によって行います。年金請求書とは、年金の受け取りを開始するために必要な書類で、年金の受給開始となる年齢(現在は65歳)に達する3ヶ月前に送られてきます。
そして、その年金請求書に所定の事項を記載し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に指示された添付書類とともに年金事務所へ提出することで年金を受給することができます。
年金請求書の提出が遅れたらどうなるの?
年金請求書の提出が遅れてしまっても後日提出すれば基本的には65歳時点にさかのぼって年金を受給することができます。
例えば、67歳の時に年金請求書を提出しても、65歳の支給分までさかのぼって年金の支給を受けられるということです。
ただし、66歳以降になってしまうと事前に送られてきた年金請求書は利用することができません。この場合、年金事務所か街角の年金相談センターに用意されている所定の年金請求書で請求する必要があります。
年金請求書の提出を6年放置したらどうなる?
年金には時効という概念があります。受け取る権利が発生してから5年を経過することで時効が成立し、その間の年金について受け取ることができなくなってしまいます。
例えば、6年年金請求書の提出が遅れてしまった場合、5年前から6年前までの1年間分の年金が受け取ることができなくなってしまうのです。
仮に71歳で年金請求の手続きをしたと仮定します。すると、65歳から66歳までの1年間の年金が受け取れなくなってしまうのです。とはいえ、66歳から71歳までの5年分に関してはさかのぼって受け取ることができます。
ただし、やむを得ない事情によって請求ができなかった場合はこの限りではないとされています。詳細については最寄りの年金事務所へご相談ください。
繰下げ受給の場合は時効にならない
年金請求書を6年放置して提出したとしても、それが繰下げ請求書の提出とともに行う、いわば年金の繰下げ受給である場合は時効にかかわらず年金を受け取ることができます。繰下げ受給とは、65歳よりも年金の開始時期を繰り下げることで、1月繰り下げるごとに0.7%増額した年金を受け取れるという仕組みです。
5年の時効にかかるのはあくまでもさかのぼって請求する場合であり、請求時点から年金を受け取りが始まる繰下げ受給は時効にかからないのです。
例えば、72歳の時に年金の繰り下げ受給の手続きをして年金を受け取り始めても、時効によって繰り下げ受給でもらえる年金額が下がるということはないのです。
年金は5年で時効にかかる
年金は年金請求書の提出が遅れてしまってもさかのぼって受給できるため、既に経過した期間の分も受給することができます。
しかし、年金は5年で時効にかかるため6年放置した後に年金請求書を提出しても1年分は時効により受け取れなくなってしまう可能性があります。
年金請求書を6年放置してしまった場合は事情がある際は年金事務所に相談して時効にかからないようにできないか相談するか、繰り下げ受給について検討してみてください。
執筆者:柘植輝
行政書士