更新日: 2023.03.09 その他年金

【生涯で2000万円!?】「会社員」と「フリーランス」でもらえる年金はどれくらい違う? 夫婦2人の条件で検証

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【生涯で2000万円!?】「会社員」と「フリーランス」でもらえる年金はどれくらい違う? 夫婦2人の条件で検証
世間一般的には、学校を卒業して一般企業に就職し、生涯会社員、という働き方をイメージする人も多いのではないでしょうか。
 
しかし、企業に就職せずに自営業やフリーランスとして生計を立てる人も少なくありません。また、現在は会社員だとしても、将来的には起業や、フリーランスとして働く場合もあるでしょう。
 
しかし、自営業者やフリーランスは、会社員と比べて各種社会保険による「サポートが手薄」だと感じられることもあります。本記事では、会社員とフリーランスで受け取れる年金額がどれくらい異なるのかについて見ていきます。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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フリーランスが加入できるのは国民年金のみ

前提として、フリーランスとして働く人が加入できる公的年金は、基本的には「国民年金」のみです。実際はフリーランスの人も上乗せとして、国民年金基金や私的年金に加入し、将来の年金額を増やすことは可能です。
 
しかし、このような上乗せがない場合、老後に受け取れる年金は国民年金のみとなります。国民年金の場合、得ている収入がどれだけ多かったとしても、将来受け取れる年金は満額で77万7800円です。
 

平均的な会社員夫婦とフリーランス夫婦のもらえる年金額を比較

それでは具体的に平均的な会社員夫婦とフリーランス夫婦で受け取る年金額を比較していきましょう。どちらも65歳から受け取り、85歳まで20年間受け取ったとします。
 
まずは会社員夫婦の場合を見ていきます。厚生労働省の「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」で示された、平均的な世帯の年金月額は22万4482円です。これを20年間受け取ったとすると、総額では「約5388万円」となります。
 
続いてフリーランス夫婦です。会社員夫婦の月額22万4482円は国民年金と厚生年金を合算した分です。国民年金のみで見ると、1人当たり6万6250円ですので、2人分では13万2500円です。フリーランス夫婦は国民年金のみの受給ですので、会社員夫婦と同様に20年間受け取った場合では、総額で「3180万円」となります。
 
今回は条件を単純化し、85歳までという条件での計算に過ぎません。とはいえ、ざっくりと計算した結果、会社員夫婦とフリーランス夫婦では生涯で2000万円以上、受け取る年金額に差が出ることが分かりました。
 

フリーランスができる対策とは

年金は老後の収入の柱ですので、会社員より受け取れる年金額が少ないフリーランスの場合、何らかの対策をして生活を安定させることが大切です。
 

私的年金などを活用する

フリーランスは公的年金としては国民年金しか加入できませんが、個人的に他の制度を利用することで、将来の年金受給額を補填できます。「国民年金基金」や「iDeCo」、「保険会社が提供している私的年金」などの活用を検討してみるのもよいでしょう。
 

働き続ける

会社員夫婦の場合、60歳の定年後、仮に再雇用となったとしても一般的には収入が減っていきます。しかし、フリーランスであれば定年はありませんし、60歳以降でも特別の事情がない限りは以前の収入を確保し続けられます。それどころか、場合によっては、60歳以降に収入を増やすことも不可能ではありません。
 
また、働き続けている期間に十分な収入があれば、年金を受け取らなくてもよいかもしれません。年金の受給時期を遅らせると、将来受け取る年金額を増やせます。
 
具体的には、遅らせる度に毎月0.7%の増額率が年金額に加算されます。仮に70歳まで受給を繰り下げると、1人が1年間に受け取る年金額は65歳時の満額77万7800円に42%が増額され、110万4476円となります。
 

年金額を把握し、早めに対策しよう

年金は老後の生活を支えるのに欠かせませんが、フリーランスの場合、会社員よりも受け取れる年金額は少額となります。フリーランスの場合は特に、早めに将来受給できる年金額を把握し、できる準備をしておきましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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