更新日: 2023.03.18 その他年金
【将来の年金額】定年後に月10万円(年収120万円)で10年働いたらいくら増える?
そこで本記事では60歳で定年を迎えたけれど、月10万円で10年働いた場合にどのくらい年金が増えるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後も厚生年金に加入できる
老齢年金は、原則65歳から受け取ることができます。老齢厚生年金は老齢基礎年金を受け取れることが前提なので、老齢基礎年金の受給資格期間を満たさない場合は受け取ることができません。
国民年金の加入可能年数は40年のため、それを超えて加入することはできません。満額受け取れる場合は、77万8000円(令和4年度時点)です。これ以上増えることはないので、もらえる年金を増やすためには国民年金以外に加入する必要があります。
一方で、厚生年金は70歳まで加入できるため、60歳で定年を迎えても10年間働くことが可能です。ただし、70歳になると原則加入資格を失います。
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月10万円で10年間働いたら年金はいくら増える?
では、定年後も毎月10万円で10年間働いたら、年金はどのくらい増えるのでしょうか。
老齢厚生年金額は2003年(平成15年)4月以降の加入期間の場合、「平均標準報酬額×5.481/1000×加入期間の月数」で計算することができます。
平均標準報酬額が10万円の場合、1年間加入すると約6577円増えます。10年間(120月)加入すると増加額は約6万5777円です。月額だと約5400円です。
2022年4月から「在職定時改定」という制度が導入され、65歳以上で仕事をしている場合も毎年10月に年金額を改定して、それまでに納付した保険料が年金額に反映されるようになりました。
法改正前は70歳になるまで年金額は改定されず、定年後も働いたことによる増額効果をすぐに受けられませんでした。それが改正後は毎年「年金額の見直し」がされることで、就労の意欲向上や経済基盤の強化が図られるとされています。
定年後も働くとメリットはあるの?
年金の増加額をみて「思ったより少ない! これでは定年後働く意味がないのではないか」と思われるかもしれません。
確かに老齢年金の増加額だけみると「全然増えない」と感じるかもしれませんが、増えるのはそこだけではありません。障害厚生年金や遺族厚生年金の給付額も増加します。これらは病気やけが、死亡など万一の事態が発生した場合に受け取れるものなので、定年後も働いて厚生年金に加入することはリスク対策にもなります。
「在職老齢年金制度」といって、年金をもらいながら働くこともできます。2022年4月からは法改正によって、給料等にあたる総報酬月額相当額と年金の基本月額の合計が47万円を超えなければ、年金は全額支給される形になりました。47万円を超えると老齢厚生年金の一部が支給されなくなりますが、月10万円、20万円程度の収入の場合は特に気にする必要はありません。
まとめ
本記事では、定年後に月10万円で10年働いたらいくら年金が増えるのか解説しました。
年金だけで、悠々自適な生活をおくるのは非常に厳しい時代です。定年後も働いて収入を確保しながら、将来の年金額を増やすことが今後はますます求められます。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 70歳以上の方が厚生年金保険に加入するとき(高齢任意加入)の手続き
日本年金機構 報酬比例部分
厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方]第10 在職老齢年金・在職定時改定
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部