更新日: 2023.03.20 その他年金

2023年度の年金受給額は増額! でも年金だけでの生活が難しい場合に検討したい対策を紹介

2023年度の年金受給額は増額! でも年金だけでの生活が難しい場合に検討したい対策を紹介
日用品や食料など、さまざまなモノの値段が上がる「インフレ」が止まりません。インフレ禍では、お金の価値が下がります。今年100円で買えていたお菓子が、来年には110円に値上がりするかもしれません。
 
そのためインフレ禍では、物価上昇に合わせた収入の増加が必須です。会社員は給与を会社が決めますが、年金は国が支給額を決めます。
 
では、2023年度の年金受給額はいくらなのでしょうか?
 
本記事では、2023年度の年金受給額について解説します。年金受給額を増やす方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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2023年度の年金受給額

厚生労働省が2022年1月20日に公表した「2023年度の年金受給額」は図表1のとおりです。
 
【図表1】

年金受給額(月額) 前年比
国民年金満額(67歳以下) 6万6250円 +1434円
国民年金満額(68歳以上) 6万6050円 +1234円
厚生年金
夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額
22万4482円 +4889円

厚生労働省 「令和5年度の年金額改定について」を基に作成
 
「国民年金満額」とは、20歳から60歳まで国民年金保険料を全額納めた人が65歳から受給できる金額です。
 
また、「厚生年金」の「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」とは、平均年収約530万円で40年間勤務した会社員の夫(妻)と会社員経験のない専業主婦(夫)が受給する年金の合計額となっています。
 
物価上昇に伴い、年金受給額は前年比増額です。ただし、増額率は物価上昇率よりも少なくなっています。
 
例えば、国民年金満額(68歳以上)の増額率は+1.9%ですが、2022年の物価上昇率は+2.5%です。これは、年金受給額を決定する上での「マクロ経済スライド」という仕組みが影響しています。
 

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繰下げ受給で年金を増やす

年金だけでの生活が難しい場合に検討したいのが「繰り下げ受給」です。年金は通常65歳から受給を開始しますが、75歳まで受給を遅らせることもできます。
 
受給開始を遅らせるほど年間の年金受給額は増えるため、年金受給額を増やしたい人におすすめです。65歳から年金の受給を開始する場合と比較した、受給開始年齢ごとの年間受給額の増額率は図表2のとおりとなります。
 
【図表2】

年齢 増額率(年間受給額*1)
*1…65歳から受給開始の場合、年間受給額は100万円
65歳 -(100万円)
66歳 8.4%(108万4000円)
67歳 16.8%(116万8000円)
68歳 25.2%(125万2000円)
69歳 33.6%(133万6000円)
70歳 42.0%(142万円)
71歳 50.4%(150万4000円)
72歳 58.8%(158万8000円)
73歳 67.2%(167万2000円)
74歳 75.6%(175万6000円)
75歳 84.0%(184万円)

日本年金機構 「年金の繰り下げ受給」を基に作成
 
75歳まで受給を遅らせれば、年間受給額を84%も増額可能です。
 
日本の健康寿命は延びているため、65歳から74歳まで働いて生活費を補い、75歳から年金で生活することも十分検討できるでしょう。
 

NISAで老後資産を用意する

年金の繰下げ受給以外にも、年金だけでは不足する生活費を自分の資産で補う方法もあります。
 
老後のための資産形成には、2024年から始まる「新しいNISA」がおすすめです。非課税期間が無期限となり、総額で1800万円までお得に資産形成ができます。
 

自分に合ったスタイルで老後に備えよう

老後に備える必要性や方法は人それぞれです。多額の年金を受給できる高年収の会社員は、貯金がなくても、年金だけで十分に豊かな老後を過ごせるかもしれません。
 
一方で、年金が少ない自営業者などは、年金以外の老後資金の準備が必要でしょう。65歳以降も働いて繰下げ受給を利用するのか、現役時代からNISAなどで資産形成をするのか、選択肢はさまざまです。
 
ぜひ、自分に合ったスタイルで老後への備えを始めてみてください。
 

出典

厚生労働省 令和5年度の年金額改定について
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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