更新日: 2023.03.23 その他年金

【75歳で84%増】年金繰下げ受給の利用割合はどのくらい? 繰下げ受給のデメリットとは?

【75歳で84%増】年金繰下げ受給の利用割合はどのくらい? 繰下げ受給のデメリットとは?
老後の生活に欠かせないのが「年金」です。年金は通常65歳から受給を開始しますが、75歳まで受給を遅らせる「繰下げ受給」も選択できます。
 
本記事では、繰下げ受給の効果や利用割合、デメリットについて紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

繰下げ受給の効果

「繰下げ受給」では、最長75歳まで受給を遅らせることが可能です。65歳で受給を開始する場合と比べて、年間受給額の増額率は図表1のとおりとなります。
 
【図表1】

受給開始年齢 年間受給額の増額率(65歳対比)
66歳 8.4%
67歳 16.8%
68歳 25.2%
69歳 33.6%
70歳 42.0%
71歳 50.4%
72歳 58.8%
73歳 67.2%
74歳 75.6%
75歳 84.0%

日本年金機構 年金の繰下げ受給を基に作成
 
65歳で受給開始した際に受け取れる年間受給額が100万円の場合、70歳で受給を開始すれば年間受給額は142万円、75歳で受給を開始すれば年間受給額は184万円となります。生きている限り、同水準の年間受給額を受給し続けられます。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

繰下げ受給の利用割合

では、実際に繰下げ受給を利用している人はどの程度いるのでしょうか? 繰下げ受給の利用割合は図表2のとおりです。
 
【図表2】

年度 繰下げ受給利用割合
2017年度 0.7%
2018年度 0.7%
2019年度 0.8%
2020年度 1.0%
2021年度 1.2%

厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に作成
 
2021年度時点で利用率はわずか1.2%となっており、約83人に1人しか利用していません。繰下げ受給は、まだまだマイナーな制度といえます。
 

繰下げ受給のデメリット

繰下げ受給は年間受給額が増える制度ですが、デメリットはあるのでしょうか?
 

受給開始を繰り下げている間は年金がもらえない

繰下げ受給は、受給開始年齢を遅らせることで年間受給額を増やす制度です。そのため、受給開始を遅らせている間は年金が受給できません。
 
その間は働いて生活費を補うか、自分の貯蓄での生活が必要です。65歳以降は働きたくない人や、十分な貯蓄がない人にとっては、繰下げ受給の利用は難しいでしょう。
 

寿命によっては損をする場合がある

繰下げ受給は受給開始を遅らせるため、寿命によっては損をする場合があります。繰下げ受給により70歳で受給を開始した人が73歳でなくなった場合、繰下げ受給を選択せずに65歳から受給を開始していた方が、総受給額は多くなるでしょう。
 
ただし、寿命は事前に分からないため、繰下げ受給により得をするか損をするかを、あらかじめ判断することは難しいでしょう。
 

税金や社会保険料の負担が増える

年金は会社からの給与と同様、税金や社会保険料がかかります。また、年金受給額が増えるほど、発生する税金や社会保険料も高くなります。
 
特に、所得税は所得が増えるほど税率が上がる仕組みのため、年金が高額になると税負担が重くなります。税金や社会保険料の負担は、繰下げ受給のデメリットです。
 

計画的に老後に備えよう

繰下げ受給は年間の年金受給額が増える一方で、デメリットもあります。ただし、年金は「長生きリスクに備える保険」と考えると、年間受給額を増やすことの意味は大きいでしょう。
 
まずは、自分の年金受給額がいくらになるかをシミュレーションしてみてください。将来の年金受給額を知ることで、繰下げ受給の検討に加えて、節約や資産運用などのやるべきことも明確になるかもしれません。
 

出典

厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集