更新日: 2023.03.27 国民年金
【国民年金】35歳会社員です。大学時代に2年間猶予された保険料を払いたいけど手続きできる? 納付できない場合は?
もしもこのような状況になった場合、手続きできるのでしょうか? 納付できない場合は、減った分の年金は諦めるしかないのでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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猶予された分は追納できるが期限がある
意外に知られていないことも多いですが、国民年金の保険料納付には時効があります。納付期限から2年を過ぎると、払いたくても払えなくなります。
ただ、保険料の免除や納付猶予、学生納付特例制度を申請して承認されると、その期間分については、2年を過ぎても後から払うことができます。これを追納制度といいます。
納付猶予や学生納付特例の期間は、年金を受け取るための受給資格期間には含まれますが将来の年金額には反映されません。そのため、将来年金を満額受け取ろうと思ったら、納めていない保険料を払う必要があります。
ただし、追納できる期間には制限があり「追納が承認された月の前10年以内の免除等期間」に限られます。つまり基本的にさかのぼれるのは10年以内です。10年を超えた未納分は、時効で払えなくなります。
今回の事例では現在35歳で、大学時代の猶予分は20歳から22歳のときのものと考えられます。すでに10年以上経過しているため、追納制度を使っても払うことはできません。
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将来の年金への影響
では、大学時代に猶予された分をそのままにした場合、将来受け取る年金にはどのくらい影響するのでしょうか。過去の猶予分以外で、保険料の未納等はないものとします。
年金額は令和5年度の場合、下記のように計算されます。
79万5000円×{「保険料納付済月数+(全額免除月数×4/8)+(4分の1納付月数×5/8)+(半額納付月数×6/8)+(4分の3納付月数×7/8)」÷(40年×12月)}
2年分を払っていないので保険料納付済月数は24月分少ない456月です。これを踏まえて上記の計算式に当てはめると75万5250円となり、月額では約6万2930円です。保険料を満額払った人の月額は6万6250円なので、これと比較すると月額約3000円減ることになります。
毎月3000円の差とはいえ「ちりも積もれば山となる」といった格言もあるとおり、積み重なると無視できない金額になる可能性があります。
では、時効で追納できない場合、減った分の年金は諦めるしかないのでしょうか。
任意加入制度や厚生年金の継続を検討する
大学時代に猶予された分を支払えないからといって、諦める必要はありません。
「任意加入制度」といって、保険料納付済期間が40年(480月)に到達していない場合、年金額の増額を希望するときは60歳以降でも国民年金に加入できます。今回の場合は2年間延長して保険料を納付することで、満額支給される権利を得られます。
それ以外では、定年後もできる限り長く働いて厚生年金に加入し、将来受け取る年金を増やす方法もあります。
まとめ
今回は、35歳の会社員が大学時代に猶予された分の保険料を払いたい場合には可能なのか、できない場合は将来年金満額をもらうのを諦めるしかないのか、解説しました。
今すぐは難しくても、60歳以降に任意加入制度を活用したり、厚生年金への加入で保険料を払うことでカバーすることができます。
諦めることなく、まずはコツコツ保険料を納付していくことが重要です。
出典
日本年金機構 Q.保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 任意加入制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部