「いざとなったら生活保護を受けるから」と年金を払っていない場合のデメリットとは?

配信日: 2023.03.28

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「いざとなったら生活保護を受けるから」と年金を払っていない場合のデメリットとは?
生活が厳しいという理由で、国民年金(以下「年金」という)の保険料を納める余裕がない人も見受けられます。この場合、老後に年金を受給できなくても、いざとなったら生活保護を受けようと考えているかもしれません。
 
しかし、実際には困った事態になる可能性があるので注意が必要です。本記事では、年金未納の具体的なデメリットを説明し、対策についても詳しく紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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生活保護を受けるデメリット

生活保護は、憲法で定められている「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度です。年金とは直接的な関係はないため、保険料を納めなくても生活保護は受けられます。そう言われると、年金はあきらめて未納をつらぬき、将来は生活保護を選択するのが得だと思う人もいるでしょう。
 
しかし、お金を受け取れるという点は共通ですが、制約などの面で大きく異なっています。生活保護では、資産の処分を求められる可能性があり、本人を扶養できる親族がいれば、支援してもらうことが優先されます。
 
また、ケースワーカーとの面談もあり、受給できる場合でも他の収入があると減額されますし、貯金なども制限されるのです。年金を受け取って暮らす老後とは、生活の快適さや自由度が根本的にちがいます。このデメリットをしっかり理解しておく必要があります。
 

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年金の恩恵を放棄するデメリット

年金には多くのメリットがあり、その恩恵を受けられないことも未納のデメリットです。例えば、年金の被保険者は、けがや病気で仕事などに支障が出るようになると、障害年金を受け取ることができます。また、被保険者が死亡すると、その人によって生計を維持していた親族は、遺族年金の受給が可能です。
 
ただし、どちらも受け取るために要件を満たす必要があります。なお、年金額は物価上昇率を考慮して改定されるため、世の中の経済状況が変わっても、実質的な価値が保たれます。しかも、終身保障であり、制約や制限がない状態で受給を続けられるのです。
 
これらは生活の安心につながりますが、保険料を納めていないと、基本的にどの権利も得られません。先行きの見えにくい老後をむかえるにあたり、大きなデメリットといえます。
 

免除や猶予の制度を利用しよう

年金未納にデメリットが多いと分かっても、手元にお金がなければ納付できません。この場合は免除や猶予の制度を利用するとよいでしょう。
 
それらの申請によって認められた期間は、保険料を納めなくても受給資格期間としてカウントされるからです。免除は全額から4分の1までの4種類で、適用される種類は所得によって決まります。また、免除された分も年金額の決定時に一定額が算入されます。
 
一方、猶予は納付を先送りにする制度であり、10年以内であれば追納が可能です。計画的にしっかり追納すれば、年金額を満額に近づけられます。これらの制度を利用して、受給資格期間の要件を満たせば、年金のメリットをいかせるようになるのです。
 

年金未納のデメリットを把握して対策を!

現役時代に生活が苦しいと、将来の年金受給にまで頭が回らないかもしれません。保険料を納付する余裕がないからといって生活保護をあてにすると、さまざまなリスクが大きくなります。免除や猶予の申請など、現時点でも可能な対策を行うことが大事です。年金未納のデメリットをよく理解した上で、安心できる老後を迎えられるように心掛けましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
日本年金機構 障害年金
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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