更新日: 2023.04.11 その他年金
月の年金が「6万円」→「12万円」に!? 働けるなら「繰下げ受給」も検討すべき?
体の衰えには逆らえないため、現役の頃のように働くことはできない一方で、現役時代と同等の生活を送れるほどの年金も支給されません。自助努力を検討しなければいけない時代において、少しでも多くの年金を受給できる方法はあるのでしょうか。
今回は、年金を少しでも多くもらえる具体的な方法を4つ紹介します。老後資金に不安を抱えている人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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繰下げ受給で最大84%増加する
公的年金制度を受給できる年齢は、原則65歳からです。しかし、受給年齢を繰り下げることによって、年金受給額が最大で84%増加します。これを「年金の繰下げ受給」といいます。
年金の繰下げ受給は、65歳以降1ヶ月単位で可能です。1ヶ月繰り下げることにより0.7%増加し、最大で75歳までの10年間(120ヶ月)繰り下げられるため、最大で84%増額が可能となる仕組みです。
例えば、老齢基礎年金の満額支給対象である人の場合、令和5年度は月額6万6259円(年間:79万5000円)です。仮に、10年間繰下げ受給した場合は、年約66万円増となり、月額12万1900円(年間:146万2800円)となります。
また、老齢厚生年金も最大で10年間の繰下げ受給が可能であり、84%の増額が可能です。65歳で受給年齢を迎えてもなお、現役で働ける人は働いて繰下げ受給を検討してみてはいかがでしょうか。
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任意加入制度を活用する
老齢基礎年金は、基本的に20歳から60歳までの40年間加入するものです。しかし、何らかの事情で40年間に満たなかった場合は、60歳から65歳までの5年間、任意で保険料を支払うことができます。この制度が「任意加入制度」です。保険料を支払うことにより、年金受給年齢に達した際にもらえる年金額が増加します。
実際に増加する金額は、総加入期間によって異なります。60歳から65歳までの5年間支払いを行うことで、40年間に達した場合は満額支給され、40年に満たない場合は加入期間によって調整されます。
確定拠出年金へ加入する
確定拠出年金へ加入することで、将来受給できる年金額が増える可能性があります。確定拠出年金とは、個人あるいは事業主が掛け金を拠出して運用管理機関(金融機関等)が運用を行い、受給年齢に達した際に年金を支給する制度です。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合は、5000円から拠出が可能であり運用益は非課税である点がメリットです。原則、60歳まで解約をすることはできませんが、将来の備えとして有効な制度です。
なお、将来受給できる年金額は、運用益や加入期間によって異なります。仮に、毎月5000円を55歳から65歳までの10年間、年3%で運用した場合は、69万8707円の受給が可能です。
なお、確定拠出年金は運用益による利益の他、節税効果にも期待できる点がメリットです。将来の備えや、節税対策として加入を検討されてみてはいかがでしょうか。
個人年金保険へ加入する
民間の保険会社が提供する年金保険を「個人年金保険」といいます。個人年金保険は、保険契約時に定めた年齢から、保険契約時に定めた金額を受給できる保険です。
個人年金保険の中には、変額保険といって給付額が変動する商品や被保険者の生死に関わらず一定期間給付するものなどさまざまな商品が用意されています。実際に受け取れる年金額は、契約時に決定するため一概にはいえませんが、老後資金の備えとしては有効です。
事前準備で年金受取額は増加する
「公的年金のみでは不足するため、自助努力が必要である」といわれる現代。私たちの暮らす社会のさまざまな問題の解決も望みつつ、自身でもできるだけ早い段階で老後の資金準備をしておくことで無理なく生活資金を確保できます。
今回は、年金をできるだけ多くもらう方法として、「年金の繰下げ受給」「任意加入制度」「確定拠出年金」「個人年金」の4種類を紹介しました。今回紹介した内容を踏まえ、老後の資金対策を検討してみてはいかがでしょうか。
出典
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 任意加入制度
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
厚生労働省 iDeCoの概要
一般社団法人生命保険協会 生命保険の基礎知識
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部