更新日: 2023.04.11 その他年金

遺族基礎年金を受給できるのはどんな人? 家族構成での違いを解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

遺族基礎年金を受給できるのはどんな人? 家族構成での違いを解説
遺族基礎年金は、国民年金保険の被保険者が死亡した際に、生計を維持している、18歳になって最初の3月31日までの子がいる配偶者、または子に対して支給されます。
 
遺族基礎年金の主たる目的は、残された子の養育費を保障することにあります。死亡した人に未納があると支給要件を満たせない場合があります。本記事では支給要件から受け取る年金額まで解説します。
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死亡した人の要件

死亡した人が次の(1)から(3)のいずれかに該当するとき、遺族に遺族基礎年金が支給されます。


(1)国民年金保険の被保険者
(2)国民年金保険の被保険者であった人で、国内に住所を有する60歳以上65歳未満
(3)老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人

(3)の場合には、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上ある人に限ります。(1)(2)の場合には、次に記載する保険料納付要件を満たしている必要があります。
 

保険料納付要件

前項の(1)(2)の場合には、死亡した人が下記の原則または特例のいずれかの保険料納付要件を満たしている必要があります。

【原則】
死亡した月の前々月までに被保険者期間がある人は、保険料納付済期間+保険料免除期間が全被保険者期間の3分の2以上であること。
 
【特例】
死亡した人が65歳未満であって、死亡日が2026年4月1日前の場合は、死亡月の前々月までの1年間において、保険料の未納期間がないこと。

受給できる遺族の範囲

遺族基礎年金の受給資格者となる遺族の要件について確認しましょう。まず、死亡した人と生計維持関係にあったかが要件とされます。
 
【生計維持関係とは?】
次の(1)(2)どちらも満たしている必要があります。
 
(1)同居している
※別居していても仕送りをしている事実がある場合や、健康保険法上の扶養親族であれば生計維持関係にあると認められます。

(2)年収が850万円未満(所得が655万5000円未満)であること

 
次に、遺族のうち受給資格者となれる人を確認していきましょう。
 
【受給資格者とは?】
(1)子(※)がある配偶者(年収850万円未満に限る)
(2)子(※)

 
(※)子とは
18歳になって最初の3月31日までにある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子をさします。遺族基礎年金の主たる目的は残された子の養育費ということが分かります。
 
したがって子がいない配偶者には支給はされません。次のケースのように、他の人と生計維持関係にあるときは遺族基礎年金は受給できません。


・結婚している子
・遺族基礎年金を受給している配偶者が再婚した場合

受け取る年金額

受け取る年金額と計算方法を確認していきましょう(令和5年度改定率)。子がいる配偶者が受け取る年金額は次の計算式で求めます。
 
79万5000円+子の加算額(※)
 
子のみが受け取る年金額は次の計算式で求めます。
 
79万5000円+2人目以降の子の加算額(※)
 
(※)子の加算額とは

1人目、2人目は各22万8700円
3人目以降は各7万6200円

 
受け取る年金額を具体例でみてみましょう。
 
(1)配偶者+子1人
79万5000円+22万8700円=102万3700円
 
(2)配偶者+子2人
79万5000円+22万8700円+22万8700円=125万2400円
 
(3)配偶者+子3人
79万5000円+22万8700円+22万8700円+7万6200円=132万8600円
 
(4)子1人
79万5000円
 
(5)子2人
79万5000円+22万8700円=102万3700円
 
(6)子3人
79万5000円+22万8700円+7万6200円=109万9900円
 

まとめ

国民年金を未納のままにしておくと、遺族が遺族基礎年金を受給できない場合があります。所得が少ないなど、国民年金を納めることが難しい場合は、保険料免除制度もしくは保険料納付猶予制度の利用をおすすめします。
 
保険料免除制度もしくは保険料納付猶予制度の手続きを行っておけば、受給資格期間へ参入され、もしもの事態へ備えることができます。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族年金ガイド 令和5年度版
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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