更新日: 2023.04.19 その他年金

「ねんきん定期便」年金額だけ見て捨ててない? 加入期間10年・20年・25年で大きく変わる年金の支給基準

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「ねんきん定期便」年金額だけ見て捨ててない? 加入期間10年・20年・25年で大きく変わる年金の支給基準
「ねんきん定期便」は、1年に1回誕生月に送られてくるものです。ねんきん定期便にはさまざまな情報が記載されていますが、年金額だけ確認しているという人も多いのではないでしょうか。
 
しかし、年金の支給額や支給基準は加入期間によって大きく変わるため、しっかりと加入期間について確認しておくことが重要です。この記事では、加入期間ごとの年金支給基準を解説します。
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年金を受け取るための加入期間が10年に!

2017年7月31日までは、保険料を支払った期間や免除期間が合計で25年なければ、年金を受け取る資格がありませんでした。しかし、「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」が2017年8月1日に施行され、保険料の支払期間や免除期間が合計10年あれば、年金を受け取れるようになったのです。
 

年金はいくらもらえる? 国民年金・厚生年金の支給額の計算方法を紹介!

年金には20~60歳までの全国民が加入する義務のある「国民年金」と会社員などが加入する「厚生年金」があります。年金支給額の計算方法は異なるため、詳しく解説します。
 

国民年金の計算方法

79万5000円(令和5年度)×{(保険料納付月数+全額免除月数+4分の1納付月数+半額納付月数+4分の3納付月数)÷(40年×12ヶ月)}
 

厚生年金の計算方法

2003年3月以前
平均標準報酬月額×(7.125÷1000)×2003年3月までの加入期間の月数
 
2004年月以降
平均標準報酬額×(5.481÷1000)×2003年年4月以降の加入期間の月数

 
このように、国民年金も厚生年金も支給される年金額には加入期間が大きく関係しています。国民年金を例に取って、加入期間10年・20年・25年の場合の老齢基礎年金支給額を比較してみましょう。
 

加入期間10年:79万5000円×{120ヶ月÷(40年×12ヶ月)}=19万8750円
加入期間20年:79万5000円×{240ヶ月÷(40年×12ヶ月)}=39万7500円
加入期間25年:79万5000円×{300ヶ月÷(40年×12ヶ月)}=49万6875円

 
このように、10年・20年・25年と加入期間が長くなるごとに老齢基礎年金の額も増加します。ただし、保険料の未納がないことが条件となります。老齢厚生年金も同様に加入期間が長くなると支給される年金が多くなるため、できるだけ長い期間保険料を支払っておくことが重要です。
 

加入期間はねんきん定期便で確認できる

前述したように、年金の支給額は年金の加入期間によって大きく異なります。ねんきん定期便には、年金加入期間が記載されているため支給される年金額だけでなく、自分がどれぐらいの期間加入しているのかも確認するとよいでしょう。
 
ねんきん定期便には納付状況も記載されています。さまざまな事情により、納付猶予や免除を受けていた時期があるという方も珍しくありません。納付猶予や免除を受けていても受給資格期間には含められますが、支給される年金額は満額で支払っていた場合よりも少なくなってしまいます。
 
10年以内であれば追納できる制度もあるため、支給される年金額を増やしたい場合は追納を行うのもよい方法です。
 

年金の加入期間によって支給額は異なる。ねんきん定期便で加入実績を確認しよう

ねんきん定期便には、これまでの加入実績に応じた年金額だけでなく、年金の加入期間や納付状況などさまざまな情報が記載されています。年金の支給額は保険料を支払った加入期間によって異なり、加入期間が長くなるほど支給額は大きくなります。
 
ねんきん定期便で加入期間や納付状況などを確認し、免除期間などがあれば追納するとよいでしょう。ねんきん定期便を参考にし、将来もらえる年金についてしっかりと考えることが大切です。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

厚生労働省 年金を受けとるために必要な期間が10年になりました

日本年金機構 令和5年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳未満の方)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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