更新日: 2023.04.24 国民年金

【国民年金】65歳から受け取る予定!何歳まで長生きしたら得になる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【国民年金】65歳から受け取る予定!何歳まで長生きしたら得になる?
「60歳まで滞納することなく全期間の保険料を納めてきました。65歳から受け取る予定ですが、何歳まで生きたら元がとれますか。」が気になる人も多いのではないでしょうか。本記事では、保険料を支払った分は何歳頃までに回収できるのか解説します。
 
納付する保険料と原則65歳以降に受け取る年金額は物価の状況等により毎年変動します。そのため、実際の数字はシミュレーションと異なる場合がありますが、今回は、話を分かりやすくするために、保険料と年金額は過去や今後も含めて一定と仮定します。
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現在の保険料と年金額

まずは、現時点の国民年金の保険料と年金額を確認しましょう。
 
2022年時点で、1ヶ月あたりの保険料は月額1万6590円(年間19万9080円)です。一方で、保険料を満額支払った人が受け取る年金額は月額6万4816円(年間約77万7800円)です。
 
これらの数字をもとに、何歳で納付した分以上受け取ることができるのか、考えてみましょう。
 

何歳で元がとれるか

国民年金は、日本国内に住む20歳から60歳までのすべての人に加入と納付義務があります。実際は、学生納付特例制度や免除、納付猶予制度等を使う場合も考えられますが、20歳から60歳までの40年間、一度も欠かすことなく、すべて納付したとしましょう。
 
40年間(480ヶ月)問題なく支払うと、総額796万3200円になります。「約800万円の元本」をいつ回収できるのでしょうか。
 
結論としては、65歳から受け取る年金は毎年約77万7800円です。受け取り総額は10年3ヶ月で約778万円に達するため、65歳から受け取り始めた場合は75歳3ヶ月で「元本分を回収」できる形になります。
 
75歳4ヶ月目以降は自分が納付してきた分以上の年金を受け取ります。75歳と聞くと現在20代や30代など若年層の人ほど「先が長い」「そんなに待てない」と感じるかもしれません。
 
ただし、今は「人生100年時代」といわれるほど、平均寿命はのびています。もし100歳まで生きるとしたら、75歳から考えても25年生活することになります。年金は現行制度が大きく変わらない限り、受給資格があれば生涯にわたって受け取ることができます。このような「投資」はなかなかありません。
 

年金は老齢年金だけではない

「年金は老後に受け取るお金」のイメージが強いですが、それだけではありません。現役世代も含めて万一病気やけが、死亡などの事態が発生したら支給される障害年金や遺族年金もあります。ただし、これらを受け取るには年金の納付状況などの条件をクリアする必要があります。
 
障害基礎年金の場合は、下記のいずれかの要件を満たしている必要があります。遺族年金も同様の条件が設定されています。

●初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
●初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

つまり年金を支払っておらず、免除や納付猶予の申請も行っていない「未納の状態」が続いていると、障害年金や遺族年金を受け取ることができません。
 

まとめ

今回は、何歳まで長生きしたら年金は元がとれるのか、考えてみました。年金はいずれにせよ受け取ることができないから支払っても意味がないという人がいますが、そんなことは全くありません。
 
そもそも保険料の納付は国民の義務なので、支払いたくないから支払わないというのは通用しません。自分や家族の財産を強制的に差し押さえられるリスクもあるので、やむをえず支払えない場合も放置しないようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 障害年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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