老齢基礎年金や厚生年金がもらえるのに、遺族年金がもらえないケースとは?
配信日: 2023.05.12
本記事では、老齢年金の基本と、遺族基礎年金・遺族厚生年金がもらえないケースについて解説します。
執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。
老齢基礎年金や老齢厚生年金をもらうためには?
厚生年金保険に加入していない20歳以上60歳未満の人は、40年にわたり国民年金保険料を払わなくてはなりません。しかし、65歳から老齢基礎年金や老齢厚生年金をもらうためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている必要があります。
では、この「受給資格期間」とは何でしょうか?
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老齢基礎年金の受給資格期間
2017年8月以後、老齢基礎年金の受給資格期間は10年以上必要です。この10年間には国民年金保険料を払った保険料納付済期間はもちろん、厚生年金保険や共済組合の加入期間も含み、国民年金保険料の免除の期間や合算対象期間も合算して10年以上となります。ちなみに、2017年7月までの受給資格期間は「25年以上」必要でした。
合算対象期間とは、例えば「20歳以上60歳未満の日本人であって海外に居住していた期間のうち国民年金に任意加入しなかった期間」や「20歳以上60歳未満で、1991年3月まで学生であって国民年金に任意加入しなかった期間」等が該当します。合算対象期間は受給資格期間の判断には用いますが、年金額の計算には反映しません。
老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていて、厚生年金保険の加入期間があれば、老齢厚生年金を受け取ることができます。
老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給資格期間を満たしても、遺族厚生年金や遺族基礎年金をもらえないことも
遺族基礎年金や遺族厚生年金を受け取るためにはいくつかの受給要件があり、そのいずれかを満たす必要があります。その受給要件のなかには、以下のようなものもあります。
●老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
●老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
●老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき
●老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
ただし、遺族厚生年金と遺族基礎年金の受給要件には、それぞれ「保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方に限ります」というただし書きがあります。
例えば、受給資格期間が「10年」や「15年」で、老齢基礎年金や老齢厚生年金をもらっていた方がいたとします。その方が亡くなったとしても、その方のご遺族は遺族基礎年金や遺族厚生年金をもらえないこともあり得るのです。
老齢基礎年金や老齢厚生年金をもらっている方で、配偶者や18歳未満のお子さまがいらっしゃる方は、ご自身に万が一のことがあった場合、遺族は遺族基礎年金や遺族厚生年金をもらえることができるのか、確認しておいたほうがよいでしょう。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 合算対象期間
日本年金機構 受給資格期間
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役