更新日: 2019.01.10 その他年金

女性のほうが寿命が長い時代だからこそ、専業主婦にオススメしたい年金の受け取り方は?

女性のほうが寿命が長い時代だからこそ、専業主婦にオススメしたい年金の受け取り方は?
結婚して子供が生まれても、仕事を続ける女性が多くなりましたが、これから年金を受け取る50代、60代の女性には、結婚または出産を機に家庭に入り専業主婦として暮らしてきた人が多いのではないでしょうか。
 
専業主婦が受け取ることができる公的年金の金額は多くありませんが、女性の平均寿命は長いですから、少しでも有利に年金を受け取りたいものです。
 
蟹山淳子

Text:蟹山淳子(かにやま・じゅんこ)

CFP(R)認定者

宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
蟹山FPオフィス代表
大学卒業後、銀行勤務を経て専業主婦となり、二世帯住宅で夫の両親と同居、2人の子どもを育てる。1997年夫と死別、シングルマザーとなる。以後、自身の資産管理、義父の認知症介護、相続など、自分でプランを立てながら対応。2004年CFP取得。2011年慶應義塾大学経済学部(通信過程)卒業。2015年、日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員。2016年日本FP協会、広報センタースタッフ。子どもの受験は幼稚園から大学まですべて経験。3回の介護と3回の相続を経験。その他、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー等の資格も保有。

専業主婦に多い老齢年金のパターン

専業主婦も、結婚前には職を持ち、厚生年金に数年間加入歴があるというのが一般的でしょう。
 
結婚した後は夫の扶養に入って国民年金の第3号被保険者となり、もう一度働き始めたとしても夫の扶養から外れない、いわゆる「103万円の壁」を収入が超えないように働いてきた人が多いように思います。
 
そのように暮らしてきた女性の老齢年金は、個人差はあるものの、月に数千円の老齢厚生年金と老齢基礎年金(40年の加入で月額約6万5000円)となります。夫の年金の方が格段に多く、「私の年金は少ないから、少しくらい多くなってもほとんど影響はない」と考えるかもしれませんが、「おひとり様」になることも想定して、年金は少しでも多くもらえるよう作戦を立てることをお勧めします。
 

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少しでも有利に年金を受け取るには

では、どうすれば年金を有利に受け取れるのでしょうか。あくまで生活費に無理がなければですが、厚生年金を65歳から受け取り、国民年金はできれば70歳まで5年間、繰り下げ受給にするという受け取り方がオススメです。
 
例えばサラリーマンだった夫が妻より先に亡くなり、妻が遺族厚生年金を受け取るようになっても、基礎年金はずっと自分の基礎年金を受け取ります。ですから、基礎年金は繰り下げて受取額を増やしたほうが有利です。
 
これに対して厚生年金は、もしも夫の厚生年金額が妻よりずっと多い場合は、夫の厚生年金額から計算した遺族厚生年金をもらうようになります。
 
ですから、妻の厚生年金は繰り下げずに65歳から受け取っておくと良いでしょう。
月に数千円でも、専業主婦にとって自分が受け取ることができる年金は貴重です。
 
年額77万円の基礎年金を65歳から5年間繰り下げると、70歳以降に受け取ることのできる年金額は年に約109万円となります。80歳以上まで長生きすれば、生涯に受取る年金総額は5年の繰り下げ受給をしたほうが多くなります。
 

長生きできない場合もあるけれど…

もちろん、これは長生するほど有利な受け取り方なので、70代で生涯を終える可能性もあると考えると、損をするように感じるかもしれません。
 
ただ、長生きもリスクのひとつです。100歳まで生きることを想定したマネープランを考えておきたいものです。
 
「お金の管理は夫に全て任せている」という専業主婦も多いと思いますが、女性のほうが平均寿命は長いのですから、いつか「おひとり様」になる可能性も想定し、自分のためのマネープランをしたたかに準備しておきましょう。
 

Text:蟹山 淳子(かにやま・じゅんこ)
CFP(R)認定者
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
蟹山FPオフィス代表

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