更新日: 2023.06.12 その他年金
「月20万円」の年金を受け取れるのは「全体の1割」!? 年金を増やすにはどうすればいい?
これを年金のみで賄おうとした場合は、夫婦でそれぞれ15万円から20万円程度の年金額が必要です。それでは、実際に20万円以上の年金を受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか?
本記事では、月に20万円以上の年金を受け取っている人の割合について紹介し、これから年金額を増やすための方法についても解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
月に20万円以上の年金を受け取っている人は全体の1割程度
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報 結果の概要 令和3年度」によると、月に20万円以上25万円未満の年金を受け取っている人は全体の13.8%です。そして、25万円以上30万円未満の人が1.6%、30万円以上の人が0.1%となっています。そのため、全体の15.5%の人が20万円以上の年金を受け取っていることになります。
また、10万円以上15万円未満の割合は30.8%、15万円以上20万円未満の割合が30.6%なので、過半数の人は10万円から20万円未満の年金を受け取っています。
月に20万円以上の年金を受け取ることは一部に限られているのが現状です。なお、平均年金額は月額で14万3965円です。
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月に15万円の年金額でも増やすことは可能
年金額が平均の月額14万円だったとしても、月額20万円に増やすことはできます。その方法として挙げられるのが年金の繰下げ受給です。
年金の繰下げ受給は、本来は65歳から受け取りが開始される年金を、66歳以降に繰り下げて受け取ることで年金額を増やす制度です。75歳まで繰り下げることが可能で、ひと月繰り下げるごとに0.7%年金額を増やすことができます。
例えば、上限の75歳まで繰り下げた場合、84%増額することが可能です。月額14万円の年金額が25万7600円になります。25万7600円の年金額であれば、ゆとりのある老後生活が送れる可能性を高くすることができます。
月額20万円以上にするためには70歳2ヶ月目から
平均年金月額の14万円を月額20万円以上にするためには、年金額を43%ほど上げる必要があります。70歳2ヶ月で増額率は43.3%になるので、月額20万620円の年金額に増やすことができます。65歳から数えると5年2ヶ月です。
繰下げ受給の注意点
繰下げ受給はメリットもありますが注意点もあります。その1つが繰下げの期間中に亡くなってしまった場合、年金を受け取ることができなくなるということです。繰下げの期間中に亡くなった場合は遺族が未支給年金などとして受け取ることになります。本人は受け取ることができなくなるので、よく検討したいところです。
また、増額した年金額については医療保険や介護保険などの保険料や税金がかかってしまいます。そのため、思っていた年金額よりも受け取れない可能性もあるので注意してください。
老後の生活のためによく検討しましょう
老後の生活をどのようにしたいかは人それぞれです。最低限の生活ができればよいのか、ゆとりのある老後生活にしたいのかによっても生活費は異なります。少しでも老後の生活にゆとりが欲しい場合は繰上げ受給制度の選択も検討しましょう。
その際は注意点についても理解して検討することが大切です。家族や年金事務所に相談するなどして老後の生活をどのようにしたいのか考えてみてください。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業年報 結果の概要 令和3年度
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー