更新日: 2023.06.18 iDeCo(確定拠出年金)
iDeCoの加入者が亡くなったら相続人が受け取れるのは? 個人型年金規約を見てみよう
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執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。
iDeCo加入者の相続人が受け取れるのは一時金
iDeCo加入者がiDeCoに資産を残したまま亡くなった場合、その資産は多くの場合、投資信託等で運用が行われています。
しかし、iDeCoに残った投資信託等をそのまま相続することはできず、相続人が運用を続けることはできません。また、iDeCo加入者が老齢給付金を年金で受け取っている途中に亡くなった場合、相続人がそのまま年金を受け取り続けることもできません。
「個人型年金規約」によると、iDeCo加入者が亡くなり、残したiDeCoの資産において相続人が受け取ることができるのは死亡一時金であると記載されています。
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iDeCoの死亡一時金の金額
では、iDeCoの死亡一時金の金額はいくらになるのでしょうか?
「個人型年金規約」によると、死亡一時金の額は『請求日以後の日であって、その支給に係る死亡した者の個人別管理資産がすべて現金化された日(請求日から起算して3月を経過する日までの間に限る)』とあります。つまり、iDeCo加入者の相続人が死亡一時金を請求してから3ヶ月以内に「iDeCoに残された投資信託等の資産が現金化された日」の金額ということになります。
相続人は「投資信託等の売却」等の運用の指図を行うことはできませんから、「強制的に現金化される」と考えられます。株価などの相場が順調なときならいいのですが、それこそ株価が低迷している時期と重なったら、死亡一時金の額は少なくなってしまうこともあるかもしれません。
いずれにせよ、死亡一時金の額はiDeCoに残っている資産の内訳(投資信託等や預金・保険)と現金化のタイミング次第ということになります。
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iDeCoの死亡一時金を受け取ることができるのは?
「個人型年金規約」によると、iDeCoの死亡一時金を受け取ることができるのは以下のとおりです。
1. 配偶者
2. 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹であって死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していたもの
3. 前号に掲げる者のほか、死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していた親族
4. 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹であって上記2に該当しないもの
これは、法定相続人とは異なります。なお、「個人型年金規約」には、『加入者等は、裁定業務を行う運営管理機関に申し出て、死亡一時金の受取人を指定し、またはその指定を変更しもしくは撤回することができる』という記述もありますので、iDeCoの加入者が亡くなる前に「死亡一時金の受取人」を運営管理機関に申し出ておくこともできます。
また、死亡一時金を受け取ることができる相続人がいない場合や、死亡一時金を請求できる相続人からの請求がiDeCo加入者の死亡後5年以内にない場合には、iDeCo加入者がiDeCoに残した資産は法務局に供託され、引き出しの手続きが複雑になります。
以上、iDeCoの加入者が亡くなった場合について、「個人型年金規約」から抜粋しました。ご自身のケースにあてはまる場合には、以上のことに留意しましょう。
出典
iDeCo公式サイト 国民年金基金連合会 個人型年金規約
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役