更新日: 2023.06.20 その他年金

6月に届く「年金振込通知書」って? よく似た「年金額改定通知書」や「源泉徴収票」との違いも解説

6月に届く「年金振込通知書」って? よく似た「年金額改定通知書」や「源泉徴収票」との違いも解説
6月になると日本年金機構から「年金振込通知書」が届きます。同じようなはがき形式のものに、「年金額改定通知書」や「源泉徴収票」があるので、どう違うのか分からないことがあるかもしれません。
 
本年(2023年)のように「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」が同じ郵便で届くこともあります。本記事では、これら3種類の違いとどれを大切に保管しておくべきなのかを解説します。
二角貴博

執筆者:二角貴博(ふたかど たかひろ)

2級ファイナンシャルプランナー

日本年金機構から郵送されるもの

日本年金機構から郵送されるものには、次のようなものがあります。
 

●ねんきん定期便
●年金額改定通知書 年金振込通知書
●年金決定通知書 支給額変更通知書
●公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
●社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
●公的年金等の源泉徴収票

 
このうち、6月に日本年金機構から届くはがきは、年金額改定通知書と年金振込通知書です。
 

年金振込通知書とは

年金振込通知書は、6月から翌年4月まで2ヶ月に1回支払われる年金額をお知らせする文書です。支払われる金額等に変更があった場合には6月以外の月でも届きます。記載されている事項は、図表1のとおりです。
 
図表1
 

 
日本年金機構 年金振込通知書
 
記載事項は、以下のとおりです。
 

(1)年金支払額
(2)介護保険料額(天引きされる場合)
(3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(天引きされる場合)
(4)所得税額および復興特別所得税額(天引きされる場合)
(5)個人住民税額(天引きされる場合)
(6)控除後振込額
(7)振込先

 
前年と記載事項に変更がある場合には、お住まいの市区町村に理由を確認するとよいでしょう。
 
なお、各支払い月に払われる月額は次のとおりです。
 

●4月(2月分、3月分)
●6月(4月分、5月分)
●8月(6月分、7月分)
●10月(8月分、9月分)
●12月(10月分、11月分)
●2月(12月分、1月分)

 

年金額改定通知書とは

年金額改定通知書は、物価・賃金の変動に応じて年金額が改定されたときに改定された金額をお知らせするものです。改定がなかった場合は送られてきません。記載項目は、次の3事項です(図表2)。
 
図表2
 

 
日本年金機構 年金額改定通知書
 

(1)国民年金(基礎年金)
(2)厚生年金保険
(3)合計年金額(年額)

 
なお、2023年4月分(6月15日支払い分)からの年金額は、67歳以下(1956年4月2日以後生まれ)は原則2.2%、68歳以上(1956年4月1日以前生まれ)は原則1.9%の引き上げとなっています。
 
図表3
 

(67歳以下の場合) 2023年度(月額) 2022年度(月額)
国民年金
老齢基礎年金(満額)注1
6万6250円 6万4816円
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)注2 22万4482円 21万9593円

 
注1 2023年度の68歳以上の老齢基礎年金は、満額で月額6万6050円
注2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準
 
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等についてを基に筆者作成
 

公的年金等の源泉徴収票とは

公的年金等の源泉徴収票とは、1月から12月までの1年間に支払われた年金の合計額を記載したものです。年金の支払い月は2月から12月までの偶数月です。源泉徴収票には、図表4のとおり、1年分として支払われた年金の金額や源泉徴収税額、所得控除に関する情報が記載され、毎年1月上旬に発送されています。
 
図表4
 

 
日本年金機構 令和4年分 公的年金等の源泉徴収票
 

最も大事なのは源泉徴収票

日本年金機構からさまざまな郵便物が届きますが、一番大切なのは源泉徴収票です。確定申告をする際には必要になるので、必ず保管しておきましょう。
 
また、年金振込通知書や年金額改定通知書が届いたときには、前年と大きな変動がないかの確認が必要です。何年も保管しておく必要はありませんが、内容に不明な点があれば問い合わせが必要です。
 
さらに、日本年金事務所から届く郵便物は再発行が可能です。ただし、再発行には時間がかかる場合がありますので、必要になったときは早めにお近くの年金事務所に連絡しましょう。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

 
執筆者:二角貴博
2級ファイナンシャルプランナー

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