更新日: 2023.06.22 その他年金
【ズルくない?】7月1日生まれの夫は「7月分」から年金が支給開始なのに、7月20日生まれの私は「8月」から支給なのはなぜですか?
しかし、「65歳から」の基準と受給開始のタイミングは具体的にいつなのかご存じですか? 本記事では、年金の受給の起点となる誕生日・誕生月と年金関係について解説します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
年金受給の開始は、誕生日の前日の翌月
年金の受給権が発生するのは、誕生日の「前日」です。それは「年齢計算に関する法律」に基づいており、誕生日前日に65歳に到達したとみなされるためです。また、この日以降に年金受け取りの手続きができます。ただし、実際に年金が支給されるのは誕生日前日の翌月からです。少し複雑なので、具体例をもとに確認しましょう。
7月20日が誕生日の人の場合は、年金の受給権開始は前日である7月19日です。さらに年金は翌月に振り込まれるので、7月分として受給される年金が翌月の8月に振り込まれるということになります。
ところが、7月1日が誕生日の人は、前日の6月30日が受給開始なので、振り込みは6月分からということになります。1日生まれの人は年金受給開始日が前月にあたるので、前月分から年金の受給がスタートすることになるのです。
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年金保険料の支払い開始も誕生日前日が起点
「1日生まれの人は年金の受給が早くてうらやましい」と思う人もいるかもしれません。ここで、年金保険料の支払い開始の時期に注目してみましょう。
国民年金加入のタイミングは「20歳に達した日」となっています。この「20歳に達した日」とは、前章と同様に計算され、20歳の誕生日の前日となります。つまり、7月20日が誕生日の人は7月19日、7月から国民年金に加入しますが、7月1日生まれの人は6月30日に国民年金に加入し、保険料の支払いも6月からスタートします。
したがって、1日生まれの人は「トクしている」のではなく、国民年金の加入のタイミングが早いため、受け取り開始も早くなるということになります。
年金の振り込みは偶数月の15日
年金の受け取り開始が誕生日前日の翌月であることは先ほど解説した通りですが、必ずしも翌月から年金が振り込まれるというものではありません。実は年金の振り込みは年6回に分けられ、偶数月の15日が指定日となっています(15日が土日祝日の場合は直前の平日)。
そのため、7月20日が誕生日の人は8月15日に7月分の年金が振り込まれ、7月1日が誕生日の人は同日に6月分と7月分の年金が振り込まれるということになります。
1日生まれの人は多く年金をもらっているわけではない
「年金の受給開始日」という一点だけを切り取ってみると、1日生まれの人は一見早く年金を受け取れてお得な気がします。しかし、年金保険料の納付も早くスタートしているので、年金受け取りと誕生日の関係性は誰でも平等です。
なお、老齢基礎年金は65歳になったら自動的に振り込まれるものでなく、請求手続きが必要です。この手続きが遅れると初回の年金振り込みが遅れることもあるので、誕生日が来たら忘れずに手続きしましょう。
出典
日本年金機構 老齢年金の請求手続き
日本年金機構 老齢年金の請求は、誕生日より前(年金を受け取る権利が生じる日より前)に手続きできますか。
日本年金機構 国民年金には20歳から加入すると聞いていますが、20歳の誕生日の前日に資格を取得したとなっています。誤りではないのですか。
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級