付加保険料も納めて亡くなると遺族には何が支給される?(2)

配信日: 2023.06.24

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付加保険料も納めて亡くなると遺族には何が支給される?(2)
付加保険料を納付していた人が亡くなった場合に遺族に支給される給付。前回(1)では、すでに老齢基礎年金と付加年金を受給していた人が亡くなった場合について取り上げました。
 
では、年金を受け取っていない人が亡くなった場合は遺族に何が支給されるのでしょうか。
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

死亡一時金に上乗せ

老齢基礎年金(+付加年金)や障害基礎年金を本人が受け取っていないまま亡くなった場合で、その配偶者や子にも遺族基礎年金が支給されない時、遺族に支給する一時金制度があります。死亡した人の国民年金保険料の納付が36月相当以上あれば、遺族に死亡一時金が支給されることになっています。
 
国民年金保険料の掛け捨て防止のための制度で、国民年金保険料をどれだけ納付していたかでその死亡一時金の額も変わります(【図表1】)。そして、国民年金保険料だけでなく、付加保険料の納付が36月以上あれば、一律8500円上乗せされて死亡一時金が支給されます。
 


死亡一時金を請求できる遺族とは、死亡当時、生計を同じくしていた(1)配偶者、(2)子、(3)父母、(4)孫、(5)祖父母、(6)兄弟姉妹で、遺族の優先順位は(1)(2)(3)(4)(5)(6)の順です。
 

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寡婦年金には影響なし

一方、老齢基礎年金(+付加年金)や障害基礎年金を受け取っていない夫が亡くなった場合、60歳以上65歳未満の妻に寡婦年金が支給されることがあります。
 
死亡当時、夫婦の婚姻期間が10年以上で、妻が生計維持されていたこと、夫の第1号被保険者・任意加入被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間が合計10年以上(※死亡日の前日における死亡日の前月までの期間での合計)あったことがその支給の条件です。
 
その寡婦年金は、第1号被保険者・任意加入被保険者の国民年金保険料納付実績に基づいて計算された老齢基礎年金の4分の3相当が支給されます(具体的な計算方法は【図表2】)。
 


しかし、この寡婦年金の額の計算では、付加保険料の納付実績は反映されません。この点が死亡一時金と異なっています。
 
なお、死亡一時金と寡婦年金、いずれの受給要件を満たしていても、いずれかを選んで受給することになり、両方は受給できません。
 

月額400円なら納付の価値あり

付加保険料を納付していた人が亡くなった場合は、前回(1)と今回取り上げたとおりの扱いですが、付加保険料は月額400円のため、国民年金保険料に上乗せして払っても大きな負担の増加にはならないでしょう。
 
そして、月額400円の付加保険料の納付に対して年額200円の付加年金の支給となります。付加年金は2年を超えて受給し続けると、納付した付加保険料の額を超えることになるといえるでしょう。国民年金保険料の納付をする場合は、同時に付加保険料の納付も検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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