更新日: 2023.06.28 その他年金

「働く60代」は50~70%! でも働きながら年金を受け取ると「支給停止」になる場合もあるって本当?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「働く60代」は50~70%! でも働きながら年金を受け取ると「支給停止」になる場合もあるって本当?
受給資格期間が10年以上あれば、65歳を超えた時点で年金の受給が可能になります。会社に勤務している場合、60歳で定年退職を迎えるのが一般的です。それでも、年金だけでは心細いなどの理由で定年以降も仕事を続ける人は多いのではないでしょうか。
 
しかし、働くことで年金が支給停止されることもあります。今回は、働く60代の割合を紹介し、年金が停止される条件などについて解説します。
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働く60代の割合は上昇傾向

総務省統計局は、高齢者の就業率を調査し、その結果をWeb上で公開しています。それによれば、65歳以上の高齢者の就業率は25.1%(2021年度)であり、年金の受給対象となっても、4人に1人は働いているという結果となっています。
 
各年齢の就業率をもう少し詳しく見ていくと、60歳~64歳が71.5%、65歳~69歳が50.3%となっています。70歳以上も含めた「65歳以上全体」でみると25.1%ですが、60代はまだまだ働いている様子が見て取れます。60歳で定年退職を迎えても、60代は半分以上の人が、引き続き何らかの形で働いているのです。
 

働き方次第では年金の支給が停止される場合も

60歳以降で働く場合も、厚生年金への加入は必要です。60歳以上の人が働きながら受給する年金のことを「在職老齢年金」といいます。ところが、無条件で年金の全額を受け取れるわけではありません。収入によっては年金の支給が停止されることもあります。
 
年金の支給が停止(減額)になるかどうかは「基本月額」と「総報酬月額相当額」に応じて判断されます。基本月額とは、年間で支給される年金額を12で割った額のことです。総報酬月額相当額とは、働いて得る年収を月平均で計算した金額で「毎月の賃金(標準報酬月額)+ 1年間の賞与(標準賞与額)÷12」の計算式で求めます。
 
上記の算出法に基づき、基本月額と総報酬月額相当額を合計した額が48万円以下であれば停止はされません。この場合は、年金が全額支給されます。基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円を超える場合は、48万円を超えた金額のうち半分が支給停止(減額)になります。
 

基本月額と総報酬月額相当額を意識して働くことがポイント

納めた年金をしっかり受給したいなら、基本月額と総報酬月額相当額の合計金額がいくらになるか計算しておくことがポイントです。例えば、基本月額が10万円なら、総報酬月額相当額が38万円を上回らなければ年金を全額受給できます。60歳を超えて再就職を考えるなら、まず自分の基本月額がいくらになるか計算しておきましょう。
 
そうすることで、合計額が月々48万円を超えない働き方が分かります。また、60歳を超えて働くときも厚生年金の加入が必要であることも忘れてはいけません。その上で、自分に合った仕事を探すことが大切です。
 

60代でも仕事を続ける人は多い! 年金支給の停止に注意して働くことがポイント

基本月額と総報酬月額相当額の合計が48万円を超えなければ年金を全額受け取れます。年金の支給を停止されないためには、48万円を意識して働くことがポイントです。
 
ただし、停止されるのは48万円を超えた部分の半額で、全額受け取れないわけではありません。自分の受給額がわからないなど不明な点があるときは、最寄りの年金事務所もしくは街角の年金相談センターに相談してみましょう。
 

出典

総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- 2.高齢者の就業
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 さ行 在職老齢年金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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