更新日: 2023.07.04 国民年金

学生時代の2年間に年金保険料の納付猶予を受けたけど、追納したら受給額はどれくらい増えるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

学生時代の2年間に年金保険料の納付猶予を受けたけど、追納したら受給額はどれくらい増えるの?
国民年金は、原則として20歳から60歳まで40年間、納付しなければなりません。しかし、20歳はまだ学生の方も多く、納付を猶予してもらった方も多いでしょう。しかし、年金の納付猶予を受けると将来受け取る年金が減ってしまうデメリットもあります。
 
本記事では、学生時代の2年間に納付猶予を受けた場合を例にとって、追納したらどのくらい年金が増えるか解説します。
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国民年金保険料の追納制度とは?

国民年金は、原則として20歳になったら国民全員が加入して60歳まで納付を続けます。しかし、学生で支払能力がないこと等を理由に、学生納付特例の承認を受ける方も多いです。
 
保険料の免除や納付猶予、学生納付特例を利用すると、将来受け取れる年金が満額を納めた方より低くなってしまいます。しかし、追納制度を利用して後から保険料を納めることが可能です。追納すれば、年金の額を満額納めた方と同等にできます。また、追納により、社会保険料控除を受けられ、所得税・住民税が軽減されるメリットもあります。
 
なお、年金が追納できる期間は10年です。10年を過ぎてしまうと追納はできないので注意してください。
 
追納を希望する場合、年金事務所で申し込みが行えるほか、マイナンバーカードを利用する追納方法や、ねんきんネットの画面上で申請を行う方法もあります。自分が納付しやすい方法で選びましょう。
 

2年分国民年金保険料を追納すればいくら増える?

令和5年では、国民年金保険を満額で収めている場合、老齢基礎年金を月々6万6250円、年79万5000円受け取れます。老齢厚生年金を含めて夫婦2人で受給する場合の標準的な年金額は、22万4482円です。
 
老齢基礎年金がいくら減額されるかは、79万5000円×保険料納付済月数÷480で計算できます。2年間納付していない場合は、79万5000円×456÷480=75万5250円で、満額より3万9750円少なくなります。
 
つまり、追納すれば、年額約4万円、年金が増える計算です。追納する金額は日本年金機構のホームページ内にある、「国民年金保険料の追納制度」で月額が分かるので、その金額に12を掛けましょう。ねんきん定期便でも確認ができます。
 

年金を追納したほうがよい方とは?

国民年金の保険料は、令和4年分で月額1万6590円です。年額に直すと19万9080円です。令和3年度は1万6610円なので、年額19万9320円となり、令和3年、4年の2年間の保険料を追納した場合、39万8400円となります。
 
自営業の方は基本的に年金が国民年金だけなので、追納すれば年に約4万円もらえる年金が増えて余裕ができるでしょう。また、厚生年金にも加入していても、老齢基礎年金は受け取れるので、経済的に余裕があれば厚生年金に加入しておいたほうが将来安心です。
 
その一方で、現在はiDeCoや個人年金など私的年金も充実しています。約40万円あれば、iDeCoに投資したほうが利回りがよいと判断する方もいるでしょう。特に、iDeCoは所得税の控除にも使えます。
 
なお、年金は10年間加入すれば受給資格を得られるので、2年間納付免除や猶予を受けていたとしても、加入資格は十分にあります。追納して老齢基礎年金を増やすか、iDeCoや個人年金の掛け金に回すかは、自分でよく考えて決断しましょう。
 

年金の追納はよく考えて決める

国民年金は、過去10年までさかのぼって追納が可能です。したがって、20~22歳まで納付猶予を受けていた場合、30~32歳まで追納ができます。年金は10年以上加入すれば受給資格が得られます。また、国民年金は60~65歳まで任意加入をして納付を延長することも可能です。
 
まとまった金額があれば、iDeCoや個人年金に使いたい方もいるでしょう。特にiDeCoは所得税の控除にも使えるので、年金を追納するよりお得かもしれません。そこは個人の自由なので、よく考えて決断してください。
 

出典

日本年金機構_国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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