更新日: 2023.07.25 その他年金

年金にプラスでもらえる!?「年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金にプラスでもらえる!?「年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れるの?
「老後2000万円問題」や「老後破産」などの言葉を耳にすることも増え、貯蓄について、不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「もし老後資金が足りず、働けなくなったあとで、お金がなくなってしまったら……」などと考えることもあるでしょう。
 
しかし、要件を満たせば、年金に加えて「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性もあります。今回は「年金生活者支援給付金とは何か」や「受け取る際の注意点」について、ご紹介します。
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年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金とは、所得が一定の基準以下の方を対象に給付されるお金です。公的年金を含めた所得額が、一定の基準以下の方を対象に、生活を支援する目的で支給されます。この制度は、消費税率が10%に引き上げられた、2019年10月1日から導入されました。
 
年金生活者支援給付金は、表1のとおり、3種類に分かれています。受け取る公的年金の種類によって、年金生活者支援給付金の種類や、受給額の計算方法などが異なるため、自身がどの給付金を受け取ることになるのかを把握しておきましょう。
 
表1
 

給付金の種類 対象者 受給条件
老齢年金生活者支援給付金 老齢基礎年金受給者 ・65歳以上で、老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の収入金額(例:公的年金)+そのほかの所得の合計額が、88万1200円以下
障害年金生活者支援給付金 障害基礎年金受給者 ・障害基礎年金の受給者
・前年の所得が472万1000円以下
遺族年金生活者支援給付金 遺族基礎年金受給者 ・遺族基礎年金の受給者
・前年の所得が472万1000円以下

 
※厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」をもとに筆者作成
 
受け取れる金額は、給付金の種類によって異なるものの、月額数千円程度となります。この給付金を受け取りたい場合は、日本年金機構から、認定請求に必要な「年金生活者支援給付金請求書」が送られてきますので、記入して返送しましょう。
 
また受給は、基本的に自動更新です。受給対象から外れたときのみ通知書が送られてくるため、毎年の手続きは不要です。
 

年金生活者支援給付金を受け取る際の注意点

年金生活者支援給付金は、まとまった金額ではないとはいえ、可能ならば受給して、できるだけ生活費の足しにしたいと思う方も多いでしょう。しかし、以下に該当する方は、受給要件を満たしていても、お金を受け取れない点に注意が必要です。
 

<年金生活者支援給付金を受け取れない方の例>

●住所が日本国内にない
●年金が全額支給停止されている
●刑事施設などに拘禁されている

 
また給付金の金額は、毎年度、変更される可能性があります。それというのも、物価の変動によって、年金額を改定する「物価スライド制」を採用しているためです。物価変動に対応して、給付額が変更されるため、インフレが起こっても、対応しやすくなっています。
 
「給付金の対象外ではないか」「物価スライド制に納得できるのか」の2点を確認したうえで、合意できる場合は、対象者へ郵送されてくる「年金生活者支援給付金請求書」を提出しましょう。
 

年金生活者支援給付金を活用しよう

老後資金について、不安を抱いている方も多いでしょう。しかし、所得が一定ラインを下回るときは、年金生活者支援給付金を受け取って、生活に役立てることも可能です。月額数千円という金額ですが、食費や光熱費などの支払いに役立つでしょう。
 
理想のセカンドライフを送るには、制度について把握しておいて、必要なときには利用できるように、準備しておくことが大切です。
 

出典

厚生労働省 「年金生活者支援給付金制度」について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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