更新日: 2023.08.06 その他年金
「年金受給前」に亡くなったら年金はどうなるの?
そこで本記事では、年金を受給する前に亡くなるケースがどの程度あるのかを紹介するとともに、もらえなかった年金がどうなるのかをまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
2022年に20~64歳までの亡くなった人数
厚生労働省が発表している「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、令和4年に亡くなった20~64歳の人は約12万8000人です。
不慮の事故や病気など死因はさまざまですが、国民年金保険に加入している人のうち、1年間にこれだけ多くの人が、年金の受給開始年齢である65歳になる前に亡くなっていることになります。
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年金受給前に亡くなっても支払った保険料は原則として返ってこない
亡くなった時点で年金を一切受給しないまま亡くなっても、支払ってきた保険料の返金や本人名義での年金の支給は行われません。
ただし、国民年金保険料を前納していた場合や、口座振替やクレジットカード納付などで国民年金資格を喪失した月(死亡日の翌日が属する月)以降の国民年金保険料の振替処理がすでに行われている場合は、保険料が還付されます(2年1ヶ月以内に未納期間があれば充当されます)。日本年金機構から届く案内を確認し、還付を受ける手続きをしましょう。
遺族が受け取れる可能性のある年金・一時金とは
年金を受給する前に身内が亡くなった場合、要件を満たしていれば次のような一時金や年金を請求できる可能性があります。
・遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)
・寡婦年金
・死亡一時金
それぞれ請求できる要件や必要な手続きが異なるため、当てはまるものがあるかどうかを確認し、早めに年金事務所などの窓口で相談しましょう。
遺族年金
遺族年金は、国民年金・厚生年金保険の被保険者や被保険者であった人が亡くなったときに、遺族に支給される年金です。遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、それぞれ次の場合に受け取れます。
■遺族基礎年金
国民年金の被保険者等であった人が亡くなった場合、亡くなった人に生計を維持されていた子(※)のある配偶者または子が受け取れます。
※18歳になった年度の3月31日までの人または20歳未満の障害年金の障害等級1級・2級の状態にある人で、婚姻していない人
■遺族厚生年金
厚生年金保険の被保険者等であった人が亡くなった場合、亡くなった人に生計を維持されていた遺族が受け取れます。
いずれも、保険料納付済期間などの詳細な要件があるため注意しましょう。
寡婦年金
寡婦年金は、死亡日前日時点で国民年金第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間が合計10年以上ある夫が亡くなったときに、60~64歳の間、妻に支給される年金です。
寡婦年金を受給するには、事実婚を含む婚姻関係が10年以上継続しており、死亡当時に夫に生計を維持されていた必要があります。
死亡一時金
死亡一時金は、死亡日の前日時点で国民年金第1号被保険者としての保険料納付月数が36ヶ月相当(免除期間は納付割合に応じて換算)以上ある人が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受給せず亡くなったときに、同一生計の遺族に支給される年金です。
受給できる遺族には優先順位(1:配偶者、2:子、3:父母、4:孫、5:祖父母、6:兄弟姉妹)があり、優先順位が最も高い人が受給できます。
なお、遺族が遺族基礎年金の受給要件に当てはまる場合は、死亡一時金は支給されません。また、寡婦年金を受給できる場合はいずれかを選択する必要があります。
もらえなかった年金は形を変えて遺族が受け取れる可能性がある
年金を受給できる年齢になる前に亡くなると、保険料を納付した期間があっても本人名義の年金は支給されません。また、年金の資格を喪失する前の月までの保険料も返還されません。
代わりに、国民年金や厚生年金保険の被保険者だった人の遺族が受け取れる可能性がある一時金や年金が複数あります。家族が年金受給前に亡くなったときには、自分や家族が受け取れるお金がないか確認し、早めに請求の相談や手続きをしましょう。
>>> 【動画で見る】「年金受給前」に亡くなったら年金はどうなるの?
出典
厚生労働省 令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
江東区 年金を受け取る前に亡くなったとき
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 寡婦年金
日本年金機構 死亡一時金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー