更新日: 2023.08.08 その他年金

年金手帳は捨てない方がよい? 持っているとどんなときに便利?

執筆者 : 辻章嗣

年金手帳は捨てない方がよい? 持っているとどんなときに便利?
年金手帳は、公的年金に加入していることを証明する書類ですが、年金制度の変遷に伴い数種類の年金手帳が発行されてきました。
 
そして、令和4(2022)年4月から、年金手帳に代わり基礎年金番号通知書が発行されるようになりました。今回は、年金手帳の変遷と年金手帳の使い道について解説します。
辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

年金手帳の変遷

年金手帳は公的年金に加入していることの証明書類ですが、公的年金制度の変更に伴って、数種類の年金手帳と基礎年金番号通知書などが発行されてきました(※1)。
 
加入する年金制度と被保険者資格を取得した時期により、表1のとおり異なる年金手帳などが発行されています。そして、令和4年3月で年金手帳は廃止され、令和4年4月以降は基礎年金番号通知書が発行されています。
 

【表1】

(※1、2を基に筆者作成)
注:茶色のほかに、水色や薄橙色の年金手帳があります。
 

年金手帳に記載されている事項

年金手帳や基礎年金番号通知書などに記載されている事項は、以下のとおりとなります(※2)。


(1)被保険者の氏名
(2)生年月日
(3)資格取得年月日
(4)基礎年金番号

なお、青色の年金手帳以外の年金手帳には、基礎年金番号は記載されておらず「被保険者台帳の記号・番号」や「年金手帳の記号・番号」が記載されています。
 
オレンジ色の年金手帳などを保有している方には、年金手帳に加え平成8年12月以降「基礎年金番号通知書」が順次送付されました(※3)。
 

年金の手続きに必要な基礎年金番号

年金の加入資格を変更する場合や年金の受給手続きには、基礎年金番号が必要となります。従って、基礎年金番号が記載されている青色の年金手帳や基礎年金番号通知書は、年金の手続きを円滑に進めるために重要な書類となります。
 
特に、青色の年金手帳を保持している方には、基礎年金番号通知書は発行されていませんので、年金手帳が基礎年金番号を確認する唯一の書類となります。
 

まとめ

年金手帳は、公的年金制度に加入していることを証明する書類ですが、年金制度の変遷に伴い数種類の年金手帳が発行されてきました。
 
そして、基礎年金番号の導入に伴い、平成9年1月から基礎年金番号が記載された青色の年金手帳が発行されるようになり、それ以前に発行されたオレンジ色などの年金手帳を保有していた方には、基礎年金番号通知書が送付されました。
 
また、令和4年4月からは、年金手帳に代わり基礎年金番号通知書が発行されるようになりました。年金の手続きを円滑に進めるためには、基礎年金番号が分かる書類が有効です。
 
青色の年金手帳を保有している方は、基礎年金番号が分かる唯一の書類が年金手帳となりますので、捨てずに大切に保管しましょう。
 

出典

(※1)日本年金機構 基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について
(※2)日本年金機構 年金制度、被保険者証等の変遷(年表)
(※3)厚生労働省 基礎年金番号に関する問と答
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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