更新日: 2023.08.16 その他年金

67歳、年金だけではカツカツです。「年金生活者支援給付金」をもらえれば生活は楽になるでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

67歳、年金だけではカツカツです。「年金生活者支援給付金」をもらえれば生活は楽になるでしょうか?
年金は老後の生活の支えになります。しかし、なかには年金だけでは老後の生活が苦しいという人もいるのではないでしょうか。そのような人に注目してほしいのが「年金生活者支援給付金」です。
 
本記事では、年金生活者支援給付金の受給要件や金額を紹介していきます。合わせて、その他の、老後の生活が苦しい場合の対策も解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

年金生活者支援給付金制度とは?

年金生活者支援給付金制度とは、公的年金などの収入金額や所得が一定基準以下の年金生活者の生活を支援するための制度です。給付金は消費税率引き上げ分を財源としていて、年金に上乗せして支払われます。
 
年金生活者支援給付金には、「老齢年金生活者支援給付金」「生涯年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類があります。それぞれに受給要件と受給額が異なるため、注意しましょう。
 
「老齢年金生活者支援給付金」の受給要件は、以下の3つです。

・65歳以上の老齢基礎年金受給者である
・同一世帯の全員が市町村民税非課税である
・前年の公的年金の収入金額(障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まず)とその他の所得の合計額が88万1200円以下

受給額は、保険料納付済み期間に基づく額(月額)と保険料免除期間に基づく額(月額)の合計額となり、保険料納付済み期間に基づく額(月額)は「5140円×保険料納付済み期間/被保険者月数480月」、保険料免除期間に基づく額(月額)は「1万1041円×保険料免除期間/被保険者月数480月」の計算で求めます。
 
年金生活者支援給付金は年金に上乗せして支払われるため、所得基準額を少しだけ超えて給付金を受け取れない人よりも、給付金の受給者の所得総額が多くなるという逆転現象が起きる可能性があります。
 
そのため、前年の公的年金の収入額とその他の所得の合計額が「78万1200円超で88万1200円以下」の人は、老齢年金生活者支援給付金ではなく「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されることになります。補足的老齢年金生活者支援給付金は、保険料納付済み期間に基づく額(月額)に一定割合を乗じて計算されます。
 
次に、「障害年金生活者支援給付金」の受給要件は以下の2つです。

・障害基礎年金の受給者である
・前年の所得が472万1000円以下(障害年金などの非課税収入は含まず。扶養親族などの人数が増加すると、所得の上限も上がる)

受給額は、障害の程度に応じて異なり、障害等級2級の場合は月額5140円、障害等級1級の場合は月額6425円になります。
 
「遺族年金生活者支援給付金」の受給要件は、以下の2つです。

・遺族基礎年金の受給者である
・前年の所得が472万1000円以下(遺族年金などの非課税収入は含まず。扶養親族などの人数が増加すると、所得の上限も上がる)

受給額は、月額5140円です。ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5140円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。
 

生活保護制度は年金を受給していても対象になることがある

年金生活者支援給付金を受給するなどの対策をしても生活が苦しい場合は、生活保護制度の利用を検討することも選択肢の一つです。
 
生活保護制度は、健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度です。年金や手当を受給し、親族からの援助や資産の売却等を検討するなどしてもなお生活が苦しく、厚生労働大臣が定める基準によって計算した最低生活費よりも収入が少ない場合に、保護費として最低生活費から年金などの収入を差し引いた金額が支給されます。
 
利用を検討したい場合は、住んでいる地域の福祉事務所の生活保護担当者に相談してみましょう。
 

年金生活者支援給付金を受給しても苦しければ生活保護制度の検討も

公的年金などの収入金額や所得が一定基準以下の年金生活者の場合、年金生活者支援給付金を受給することができます。年金生活者支援給付金には、老齢年金生活者支援給付金、障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者支援給付金の3種類があり、それぞれに受給要件と受給額が異なります。
 
また、年金生活者支援給付金があっても生活が苦しく、それ以上の対策も難しいようであれば、生活保護の利用を検討するのも選択肢のひとつです。
 

出典

厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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