更新日: 2023.08.17 その他年金
65歳から70歳までアルバイトして、給与は「月8万円」です。受け取れる年金額は増えますか?
そこで本記事では、原則年金を受け取れる年齢である65歳から70歳までアルバイトをして毎月8万円稼いだ場合、その後もらえる年金は増えるのかを解説します。
今回は話を分かりやすくするため、労働条件は日給1万円で1ヶ月あたり8日勤務し、1週間の労働時間は20時間未満とします。また現役時代に国民年金や厚生年金に加入しており、年金保険料の未納や納付猶予などはなく、満額納付していることとします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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将来の年金額を増やす条件
結論から言えば今回の事例の場合、将来受け取る年金額は増えないでしょう。なぜなら、上記のような働き方では、厚生年金の加入条件を満たさず被保険者とならないことが多いからです。
現役時代におもに会社員として働き、国民年金と厚生年金に加入して保険料も満額納付している人が将来もらえる年金額を増やすためには、65歳以降も厚生年金に加入して保険料を納付し続ける必要があります。
国民年金については、保険料を満額納付しても、老齢基礎年金として受け取れるのは年間79万5000円(2023年度)で、これ以上増やすことはできません。国民年金は基本的に職業や収入に関係なく日本国内に居住する20歳以上60歳未満の人はすべて加入しますが、40年の納付済期間を満たすと、それ以上納付することはできないのです。
一方で、厚生年金は要件を満たすと原則70歳まで加入することができ、60歳などの定年後も働いて保険料を収めることで、将来の年金額を増やすことが可能です。ただし誰でも加入できるわけではなく、基本的にはフルタイム勤務など、常時勤務するケースが想定されています。
しかし、短時間勤務の場合も下記の条件を満たせば被保険者となります。
●週の所定労働時間が20時間以上あること
●賃金の月額が8.8万円以上であること
●学生でないこと
今回のケースでは、週の所定労働時間と賃金月額の内容を満たさないため、厚生年金の加入対象には含まれません。
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65歳以降に受け取る年金を増やす方法
厚生年金の加入条件を満たさない場合でも、年金の繰下げ受給を活用すると受け取る年金額を増やせます。
繰り下げ期間によって増額割合が変化し、増額率が一生変わらないのは大きなメリットです。また、老齢基礎年金と老齢基礎年金を別々に繰り下げることもできるため、自分自身の経済状況等によって臨機応変に手続きできる点も見逃せないポイントです。
増額率は、66歳0ヶ月から1ヶ月ずつ受給を繰り下げるごとに上がり、最大84%(75歳0ヶ月)加算されます。ただし、75歳を過ぎてなお繰り下げを行っても、それ以上増額率は上がらないので注意しましょう。
繰り下げすべきかどうかは、自身のライフスタイルや経済状況等を総合的に考えた上で判断することをおすすめします。もらえる年金が増えるからと安易に判断して、資金繰りが悪化してしまっては本末転倒です。
65歳以降も働くべき?
繰り下げ受給の場合をのぞき、受け取れる年金が増えないのであれば、働いても意味がないと考える人もいるかもしれません。年金制度との関係で費用対効果を考えると「働き損」と思われるかもしれません。
ただし、定年後もできる限り長く働くことのメリットは、年金額や給料を受け取ることで収入を増やすことだけではありません。他人とコミュニケーションをとることで社会とのつながりを持ち、通勤や業務で規則正しい生活や適度な運動をする形となって健康維持にもなります。
結果的に心身や経済的自由につながって病気やけがのリスクが軽減され、医療費抑制が期待できるでしょう。
まとめ
今回は65歳から70歳までアルバイトをして毎月8万円の給料をもらったら年金は増えるのか解説しました。労働時間や賃金の面で厚生年金の加入要件を満たさず、年金の受給額アップについては期待できません。しかし、年間100万円程度、給与によって収入が増えるわけなので、経済的には大いに意味があると言えます。
また、65歳以降も働く場合はお金だけが理由ではなく、病気の予防や心身の安定につながることもあり、メリットも多いと言えるでしょう。
出典
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
日本年金機構 国民年金はどのような人が加入するのですか。
日本年金機構 Q.会社に勤めたときは、必ず厚生年金保険に加入するのですか。
日本年金機構 Q.私は、パートタイマーとして勤務しています。社会保険に加入する義務はありますか。
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー