退職後、年金機構から「手紙」が届きました。保険料を払えないので無視しても大丈夫ですか?

配信日: 2023.08.19

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退職後、年金機構から「手紙」が届きました。保険料を払えないので無視しても大丈夫ですか?
退職してから転職・再就職するまでの間、日本年金機構から「届出はお済みですか」という案内が届くことがあります。この案内は、仕事を辞めた後に、国民年金の切り替え手続きをしていない場合に受け取る手紙です。
 
しかし、転職までの間に収入がないなど、年金保険料の支払いが金銭的に難しい人もいるかもしれません。本記事では、国民年金の切り替えを忘れていた場合の手続き方法や、支払いが難しい場合の対処法を解説します。

退職後は国民年金の手続きが必要

仕事を辞めてから転職まで期間が空く場合、国民年金保険料を自身で支払うための手続きが必要です。会社員として働いている間は、給与からの天引きで国民年金保険料を収めています。しかし、退職すると給与天引きの仕組みが使えないため、自ら国民年金保険料を納めることになります。ちなみに、2023年度の国民年金保険料は、月額1万6520円です。
 
「届出はお済みですか」という書面が届いた人は、すみやかに市区町村などの役場に行き、国民年金への加入手続きを行う必要があります。マイナンバーカードを持っている場合は、スマホやパソコンからでも手続きが可能です。
 

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国民年金保険料の支払いが難しいときはどうする?

転職までの期間が長い、もしくは転職先がまだ決まっていないといった場合、毎月の国民年金保険料の出費が負担になることもあります。その場合には、国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度の利用を検討しましょう。
 

未納から2年以内に保険料を納める

国民年金保険料が未納でも、2年以内であればさかのぼって納付することができます。転職などで経済的に立て直したあと、2年以内に未納分を支払うのも手です。支払いは銀行振込やコンビニ払いのほか、PayPayやau PAYといったスマホ決済アプリでも行えます。
 
国民年金保険料を未納のままにしておくことはおすすめできません。なぜなら、手続きをせず「未納」となっていた期間は、国民年金の加入期間にカウントされないからです。老後に基礎年金を受け取るためには、「国民年金の資格期間が10年以上」という条件があります。国民年金保険料が未納の間は、この加入期間に加算されません。
 
さらに、国民年金保険料の未納が原因で、障害年金や遺族年金が受け取れない場合もあります。万一、障害が残るようなけがや病気をしてしまうと、さらに家計が苦しくなるリスクがあります。
 

国民年金保険料の免除・納付猶予を申請

前述した国民年金保険料の未納のデメリットを解消できるのが、「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」です。これらを利用すれば、前年度の所得に応じて国民年金保険料の一部もしくは全額の支払いを免除または猶予してもらえます。国民年金保険料の免除もしくは納付猶予中は、国民年金の加入期間としてカウントされ、障害年金や遺族年金の受取条件も満たせます。
 
また、国民年金保険料の免除制度を利用する場合、将来受け取る年金額も未納時より増えます。免除期間中の老齢年金は、年金受取時に全額納付した場合の年金額の2分の1から8分の7(免除額により異なる)の金額として計算され、受け取れます。未納のままだと、未納のあいだの年金は計算されず、0円です。
 
すぐに国民年金への切り替えができなかった人も、2年までならさかのぼって国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度を申請できます。未納状態の人は、住民登録をしている市区町村の役場か年金事務所にて、自身が今から免除制度・納付猶予制度を利用できるか相談してみることをおすすめします。
 

失業者が利用できる特例免除

国民年金保険料の免除制度には、失業者向けの「特例免除」という仕組みがあります。
 
通常、国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度の利用には、前年度所得が一定以下である必要があります。しかし、特例免除にて申請すれば、本人の所得に関係なく免除制度・納付猶予制度の利用が可能です。
 
ただし、世帯主(同居中の親など)や配偶者の所得は審査の対象となるため、実家暮らしや既婚の人は注意が必要です。
 

転職後は「追納」も検討を

国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度にも、デメリットがあります。それは、将来受け取る国民年金の金額が減ることです。そこで利用を検討したいのが、経済的に余裕が出たあとに国民年金保険料を「追納」することです。免除・納付猶予を受けていた期間分の国民年金保険料をあとから支払うと、老後に受け取る老齢基礎年金額を増やすことができ、満額受取も可能となります。
 
国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度を申請しておくと、さかのぼって10年まで保険料を追納できるようになります。しかし、未納のままだと2年までしかさかのぼれません。まずは生活を立て直し、余裕が出たら老後に備えていくなど、国の制度をうまく利用して将来に備えていきましょう。
 

出典

日本年金機構 「届出はお済みですか(国民年金加入のご案内)」が送られてきたのですが、どうしてですか。

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

日本年金機構 国民年金保険料の追納制度

 
執筆者:一条まつこ
FP2級

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