更新日: 2023.08.19 その他年金
月「20万円」の年金を受給している夫が急逝した場合、遺族年金はどのくらい受け取れますか?
そこで今回は、年金受給者である夫が亡くなった場合の遺族年金について考えてみました。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
厚生年金受給者に扶養されている妻は遺族厚生年金を受け取れる
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった方の年金の加入状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。
厚生年金を受給している夫に生計を維持されている妻は、夫が亡くなったとき、遺族厚生年金を受給することができます。ただし、受給するためには夫の厚生年金の受給資格期間(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間)が25年以上なければならないため、絶対に誰でも受け取れるわけではない点にご注意ください。
一方、遺族基礎年金は遺族厚生年金と異なり、妻が受け取るためには「子(原則18歳に到達後最初の3月31日を迎えるまで)のある妻」である必要があります。
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遺族厚生年金はいくら受け取れる?
遺族厚生年金の支給額は、「亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」の額となります。仮に、夫に支給されていた年金が月20万円だった場合、老齢基礎年金の支給額を6万5000円と仮定すると、老齢厚生年金の支給額は13万5000円程度です。
これが全て報酬比例部分による支給額と仮定し、簡単に試算してみると、妻に支給される遺族厚生年金の額は月10万1250円となります。
なお、実際に支給される年金額は諸条件により異なるため、上記はあくまでも参考程度にとどめておくといいでしょう。
妻自身が老齢厚生年金を受け取っている場合は支給額が減額される
遺族厚生年金と妻自身の年金は、両方合わせて受け取ることができます。このとき受け取れる遺族厚生年金の額は、下記のうちより高い方の金額になります。
(1)亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額
(2)「上記(1)の額の3分の2」に「本人の老齢厚生年金額の2分の1」を足した額
例えば、遺族厚生年金の額が10万1250円、妻自身が受け取る老齢厚生年金が2万円という場合、(1)は10万1250円、(2)は7万7500円となるため、妻が受け取る遺族厚生年金は(1)の10万1250円となります。
ただし、決定した遺族厚生年金額について、妻自身の老齢厚生年金相当額が支給停止となります。遺族厚生年金額が10万1250円の場合、実際に受け取れる額は妻自身の老齢厚生年金額2万円を引いた8万1250円となります。
老齢基礎年金の支給額が6万5000円とすると、妻が受け取れる年金額は合計で14万6250円となります。
遺族年金を受け取るには請求手続きが必要
遺族基礎年金・遺族厚生年金を受け取るためには、請求手続きが必要となります。具体的には、まず、近くの年金事務所や街角の年金センターにて「年金請求書」と必要な添付書類を提出します。
提出後、1ヶ月から2ヶ月程度で年金証書や年金決定通知書などが自宅に届きます。それらが届いた後、さらに1ヶ月から2ヶ月後にようやく年金の振り込みが始まるという流れになります。遺族年金については、このように、すぐには振り込まれないという点を留意しておく必要があるでしょう。
その他詳細については、近くの年金事務所や街角の年金センターへご確認ください。
遺族年金の支給額は要確認
遺族年金の支給額は個別の事情によって変化します。仮に夫の年金が月20万円だった場合、一つの目安として、10万円程度の遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。
自分は受け取れるのか、その場合どれくらいの額になるのか。遺族年金についてさらに詳しく知りたい場合は、最寄りの年金事務所などへご相談ください。
出典
日本年金機構 遺族年金ガイド
執筆者:柘植輝
行政書士