更新日: 2023.08.19 その他年金

「年収400万円」と「600万円」で試算! 年金は将来いくら受け取れる? 保険料の元は取れるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「年収400万円」と「600万円」で試算! 年金は将来いくら受け取れる? 保険料の元は取れるの?
日本に住む20歳から60歳の人は、毎月国民年金の保険料を払わなくてはなりません。そのため、毎月「今月もこんなに払うのか」「払った分の保険料は将来年金としてどれくらい受け取れるのか」と感じている人も多いかもしれません。
 
本記事では、年収400万円と600万円の会社員が、一生で保険料をいくら支払い、そして、年金をいくら受け取れるのかについて解説しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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会社員は国民年金と厚生年金に加入している

会社員の場合、「国民年金」と合わせて「厚生年金」にも加入することになります。毎月負担する保険料には、国民年金と厚生年金の2つの保険料が含まれ、将来は年金として老齢基礎年金と老齢厚生年金が受け取れます。
 
今回は例として、20歳から22歳までの2年間は国民年金のみに加入し、4年制大学を卒業後就職し、その後38年間会社員として働き、60歳で退職した場合について見ていきます。
 
なお、支払う保険料や受け取る年金額は、毎年の年収やそのときの社会情勢次第で変化するもので、一律ではありません。今回は計算上、年収400万円であればずっと年収が400万円という設定で、試算は最新ベースでおこないます。なお、月収は年収を単純に12で割った額とします。
 

生涯で支払う保険料はいくらか

まず、20歳から22歳までの2年間、国民年金のみの加入時について見ていきます。現在、国民年金の保険料は一律で1ヶ月当たり1万6520円(令和5年度)です。24ヶ月分の保険料を計算すると39万6480円となります。
 
次に、22歳から60歳までの38年間の会社員時代は、国民年金分を含めた厚生年金保険料を負担しています。保険料は、平均年収が400万円であれば1ヶ月当たり3万1110円、600万円では4万5750円です。それぞれ456月分(38年)の保険料を計算すると、年収400万円で1418万6160円、年収600万円では2086万2000円となります。
 
22歳までの国民年金分と合算すると、生涯で負担する保険料は、年収400万円では1458万2640円、600万円では2125万8480万円という結果になりました。
 

生涯で受け取れる年金額はいくらか

年金は基本的には65歳以降、生きている限りずっと受け取れます。平均余命から考えて、65歳男性がおおよそ85歳まで生きるとして、85歳までの20年間で受け取れる年金額を見ていきましょう。
 
まず「老齢基礎年金」ですが、今回は加入期間中の保険料をすべて納めているため、満額の年間79万5000円が受け取れます。20年間分では、1590万円になります。
 
次に「老齢厚生年金」は、報酬比例部分、経過的加算、加給年金の合算分が受け取れますが、今回はメインの報酬比例部分のみで見ていきます。報酬比例部分は年収によって異なり、年収400万円で38年間働いた場合は年間で84万9774円、600万円の場合は124万9668円が受給できます。20年間分では、年収400万円では1699万5480円、年収600万円では2499万3360万円と計算できます。
 
国民年金と合算すると、生涯で受け取れる年金額は、年収400万円では3289万5480円、年収600万円では4089万3360円となります。
 

年金は払った保険料よりもだいぶ多く受け取れる

今回のシミュレーション結果をまとめると図表1のとおりです。
 
【図表1】

年収400万円 年収600万円
支払保険料総額(A) 1418万6160円 2086万2000円
受取年金額総額(B) 3289万5480円 4089万3360円
(B)-(A) 1870万9320円 2003万1360円

日本年金機構HPを基に筆者作成
 
あくまでも平均寿命まで生きた前提ですが、支払った保険料の倍程度の年金を受け取れる計算になります。
 
実際はさまざまな条件により将来の年金受給額は変わってきますので、毎年送られてくる「ねんきん定期便」などで確認しましょう。
 

出典

日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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