更新日: 2023.08.24 その他年金

50代からパートで「月10万円」稼いだら、将来の年金はいくら増える?「納める保険料」と「もらえる年金額」も比較!

50代からパートで「月10万円」稼いだら、将来の年金はいくら増える?「納める保険料」と「もらえる年金額」も比較!
今まで専業主婦(夫)だったものの、さまざまな事情により働き始めることもあるかもしれません。また、働いていても給与などの条件から、自らは年金保険料を負担していなかったものの、働き方を変えたことによって、保険料負担が発生することもあります。
 
本記事では、パートでどのように働いたら年金保険料を負担することになるのかを説明します。また、例として月10万円をパートで10年間稼ぐと、将来受け取る年金額がどれぐらい増えるのかも解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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パートでどのように働いたら年金保険料負担が発生するのか

会社員の配偶者に扶養される専業主婦(夫)や、収入や勤務時間等の条件が一定未満のパート勤務者などは、第3号被保険者となるため、自身での年金の保険料負担はありません。現時点において、自ら厚生年金保険に加入し保険料を支払う基準としては、下記(1)~(5)を全て満たす人です。
 

(1)労働時間が週20時間以上
(2)賃金が月8万8000円以上
(3)雇用期間が2ヶ月を越えて見込まれる
(4)学生ではない
(5)勤務する企業の厚生年金保険の被保険者数が101人以上

 
なお、(5)については令和6年10月以降は51人以上に条件が緩和されます。
 

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パートで月10万円、10年間稼いだ場合に増える年金額

会社員に扶養される専業主婦(夫)や、上述した厚生年金保険料を支払う基準に満たない働き方をしている人でも、基本的には国民年金に加入しています。そして、65歳以降には老齢基礎年金として、国民年金の加入期間に不備がなければ、満額の年間79万5000円を受け取れます。
 
また、厚生年金保険料を支払う基準を満たす働き方をすれば、その分、将来の年金額を増やすことが可能です。今回は50~60歳までの10年間、毎月10万円を稼ぎ、厚生年金保険料を負担した場合に増える年金額を計算していきます。
 
老齢厚生年金の年金額は、加入期間や報酬の額によって決まります。これを報酬比例部分と言い、平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数で求められます。月に10万円稼いだ場合の平均標準報酬額は9万8000円で、加入月数が120月(10年間)として計算すると、年間6万4457円が受け取れることになります。国民年金と合わせると、年間85万9457円が受け取れる計算です。
 
なお、負担する厚生年金の保険料も収入によって定められています。毎月10万円を稼いだ場合の保険料負担額は月額8967円です。
 

増加分における生涯で支払う保険料と受け取る年金額

50~60歳まで毎月10万円を稼いだ場合、厚生年金保険料として毎月8967円の負担が発生する代わりに、65歳以降は年金として毎年6万4457円を受け取れます。
 
年金は受け取り始めると生涯にわたり受給できるため、長生きするほど受け取れる金額は増えます。それでは、仮に平均寿命まで生きた場合、支払った保険料と受け取る年金額ではどちらの方が多いのでしょうか?
 
まず「支払った保険料」は、毎月8967円を10年間(120月)払うので、合計で107万6040円になります。一方、「受け取る年金」ですが、今回は女性を想定して計算します。65歳の女性の平均余命は約25年ですので、25年間毎年6万4457円受け取ったとすると、トータルで161万1425円です。支払った保険料と比べると、約53万円受け取る額の方が多いことが分かります。
 

まとめ

50代から10年間、毎月10万円を稼いだ場合、65歳以降に受け取れる年金は毎年6万4457円増え、生涯では150万円以上にのぼります。
 
また、働いた分は年金のみならず、当然その分家計の助けにもなります。現在家計が厳しいという場合は、中高年からでも働き始めたり、働き方を変えたりすることを検討してもよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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