更新日: 2023.08.28 その他年金
60歳から「月15万円」稼ぐと、年金が「9万円」増えるって本当? 60歳以降も年金を増やすことはできるの?
本記事では、60歳から月15万円を稼ぐと年金がいくら増えるのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老齢厚生年金は60歳以降も増える
国民年金保険料を支払うことで受け取れる老齢基礎年金は、原則として60歳までしか加入できません。そのため、60歳以降に老齢基礎年金を増やすことは基本的にできないことになります。
しかし、老齢厚生年金は厚生年金に加入している事業所で働く場合は、要件を満たせば60歳から70歳までの間に加入することが可能です。そのため、70歳までの間に働いた分、老齢厚生年金を増やせます。
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老齢厚生年金の計算
老齢厚生年金は報酬比例部分と加給年金、経過的加算で構成されています。年金額の基礎となるのは報酬比例部分なので、ここでは報酬比例部分のみを考えます。
平成15年4月以降に厚生年金に加入した場合、報酬比例部分の計算式は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入期間(月数)」です。平均標準報酬額は平成15年4月以降の加入期間において、標準報酬額と標準賞与の総額を加入期間で割った金額になります。
月15万円の場合はいくら増える?
60歳から70歳までの間に月15万円の収入がある場合は、15万円×5.481÷1000×120月で計算します。これを計算すると、9万8650円です。つまり、毎年の年金額が「9万8650円」増えます。
年間で9万8650円なので少なく感じるかもしれませんが、増額した年金額は一生変わらず受け取れます。また、長生きすると総額で多くの年金を受け取ることが可能です。メリットも大きいので検討してみてください。
老齢厚生年金を受け取りながら働ける?
65歳以上になると老齢厚生年金を受け取りながら働くことも可能です。働きながら受け取る年金を在職老齢年金といいます。しかし、働きすぎて収入が多くなると年金が全額、もしくは一部支給停止になることもあるので注意してください。
具体的には、賃金と年金の収入の合計が48万円を超えた場合です。48万円を超えた部分の半分の金額が支給停止されます。受け取っている年金額や収入額を確認してみましょう。
在職定時改定で毎年年金額が増える
65歳以降に年金を受け取りながら働いた場合、年金額は毎年10月に見直されます。これが「在職定時改定」です。
令和4年3月までは退職するか70歳に到達するまでは、在職老齢年金だったとしても年金額は増えませんでした。しかし、令和4年4月から在職定時改定制度が始まったため、年金額が毎年見直されるようになっています。基本的には働けば働くほど受け取れる年金額も増えるので、年金の増額を毎年実感できるようになりました。
年金の支給停止に注意して老齢厚生年金を増やしていく
在職老齢年金は支給額と労働の収入額との合計が一定を超えると年金が全部もしくは一部支給停止になるので注意が必要です。しかし、それさえ理解しておけば老齢厚生年金を70歳まで増やせます。
人生100年時代と言われているので、60歳以降も働いて年金額を増やすことも選択肢の1つになりました。年金の制度をうまく活用して、ご自身に合った老後の生活を送れるように考えていきましょう。
出典
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー