更新日: 2023.09.22 その他年金
男性の平均寿命は「81歳」! 長寿社会では、年金を「早く長く」受け取ったほうが実はお得? 年齢別に総額を検証!
しかし、年金の受給開始を遅らせるということは、遅らせたその期間は年金がもらえないということになります。繰下げ受給をして受取額を増やした方がいいのか、多少減額されても早くから年金を受け取った方がいいのか。
本記事では、平均寿命をもとに、それぞれの場合の年金の受取総額を試算します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
年金の繰上げ受給・繰下げ受給とは?
老齢基礎年金、老齢厚生年金は、原則として65歳から受給できます。しかし、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に期間を繰り上げて早くから年金を受給することができます。これを「繰上げ受給」といいます。
反対に、65歳で受け取らずに66歳以後75歳まで繰り下げることを「繰下げ受給」といいます。受給の繰り上げや繰り下げを行った場合、その期間に応じて年金の減額・増額がされ、その減額率・増減率は一生変わることはありません。
繰上げ受給の減額率は、1ヶ月あたり0.4%で最大24%まで減額され、繰下げ受給の増額率は、1ヶ月あたり0.7%で最大84.0%まで増額されます。
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日本人の平均寿命
厚生労働省発表の令和4年簡易生命表によると、男性の平均寿命は 81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳です。つまり、65歳から年金を受給した場合、男性は約16年、女性は約22年間年金を受給することになります。
繰上げ・繰下げを年齢別にシミュレーション
現在67歳以下の人が受け取ることのできる基礎年金は満額で月額6万6250円(令和5年)なので、年間では79万5000円になります。この額と平均寿命をもとに、繰上げ受給・繰下げ受給をした場合に、一生で受け取ることのできる基礎年金額を図表1で試算していきましょう。
【図表1】
日本年金機構 年金の繰上げ・繰下げ受給より筆者作成
男性の場合、平均寿命を考慮すると67歳まで繰り下げるのが年金の受給総額が最も大きくなります。一方女性の場合、70歳まで受給開始時期を繰り下げると最も受給額が大きくなることがわかります。
ただし、この試算はあくまでも平均寿命をもとにしたものですから、平均寿命よりも長生きした場合はこの限りではありません。
長寿社会には繰下げ受給が有効
年金受給は、繰上げをすると受給が早くなる分、受取額が少なくなり、繰下げをすると受給が遅くなる分、受取額が多くなります。年金の受給と平均寿命を考えると、男性は67歳、女性は70歳がターニングポイントともいえます。
寿命というものはまさに「神のみぞ知る」ものであり、誰にもわかりません。しかし、現代の長寿社会を考えると健康に長生きするためには、受給開始を繰り下げて受取額を多くしたほうが充実した老後が送れるのかもしれませんね。
出典
日本年金機構 年金の繰上げ・繰下げ受給
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級