更新日: 2023.09.23 その他年金

「年金生活者支援給付金」を受け取れるのはどんな人? 受給要件や金額について解説

「年金生活者支援給付金」を受け取れるのはどんな人? 受給要件や金額について解説
公的年金による収入額やそれ以外の所得が一定額以下の場合、「年金生活者支援給付金」が受給できます。対象になるのは、老齢、障害、遺族の各基礎年金受給者です。
 
公的年金受給者の生活の安定を図るのが「年金生活者支援給付金」の目的で、財源に消費税額の引き上げ分が使われ2019年10月に導入されました。
 
本記事では、各基礎年金受給者それぞれの受給要件や受給額を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」の受給要件と受給額

老齢基礎年金受給者は「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」が受給できます。そのための要件と受給額は以下のとおりです。
 

受給要件

「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」を受給するためには、(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者で、(2)同一世帯の全員が市町村民税非課税で、(3)前年の公的年金等の収入金額と、その他の所得との合計額が87万8900円以下、の要件をすべて満たしていなければいけません。
 
なお、3つ目の要件にある前年の公的年金等の収入金額に、障害年金と遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、前年の公的年金等の収入金額と、その他の所得との合計額が77万8900円超で87万8900円以下の場合は、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が受給できます。
 

受給額

「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」の受給額は、5140円(月額)を基準額として、保険料納付済期間などに応じて算出されます。計算式には次の2種類があります。
 
1つ目は、「保険料納付済期間に基づく額(月額)=5140円×保険料納付済期間/被保険者月数480月」です。2つ目は、「保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1041円×保険料免除期間/被保険者月数480月」です。この2つの計算式によって算出された金額の合計額が受給額となります。
 

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「障害年金生活者支援給付金」の受給要件と受給額

障害基礎年金の受給者は、「障害年金生活者支援給付金」が受給できます。そのための要件と受給額は以下のとおりです。
 

受給要件

「障害年金生活者支援給付金」を受給するためには、(1)障害基礎年金の受給者で、(2)前年の所得が472万1000円以下である必要があります。なお、前年の所得には障害年金などの非課税収入は含まれません。また、前年の所得上限は、扶養親族などの数に応じて増額されます。
 

受給額

「障害年金生活者支援給付金」の受給額は障害等級によって異なります。障害等級が2級の人の受給額は5140円(月額)で、障害等級が1級の人の受給額は6425円(月額)です。
 

「遺族年金生活者支援給付金」の受給要件と受給額

遺族基礎年金の受給者は「遺族年金生活者支援給付金」が受給できます。そのための要件と受給額は以下のとおりです。
 

受給要件

「遺族年金生活者支援給付金」を受給するためには、(1)遺族基礎年金の受給者で、(2)前年の所得が472万1000円以下である必要があります。なお、前年の所得には遺族年金などの非課税所得は含まれません。また、前年の所得の上限額は扶養親族などの数に応じて増額されます。
 

受給額

「遺族年金生活者支援給付金」の受給額は、5140円(月額)です。ただし、複数の子どもが遺族基礎年金を受給している場合は、5140円を子どもの数で割った金額になります。
 

年金生活者支援給付金の受給要件を確認しておこう

老齢、障害、遺族の各公的基礎年金受給者は、要件を満たすことで「年金生活者支援給付金」が受給できます。
 
給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金請求書の提出が必要です。請求書の提出から1~2ヶ月後に「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が送られてきます。
 
「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」の受給権が発生すると見込まれる人には65歳になる3ヶ月前に請求書が送付されますが、それ以外の「年金生活者支援給付金」には送付されません。受給要件を満たす人は、各基礎年金の手続きと同時に忘れることなく申請しましょう。
 

出典

厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
日本年金機構 年金生活者支援給付金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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