更新日: 2021.02.02 その他年金
「働いている人は年金がもらえないと聞いているから・・」 あなたは、本当にもらえる年金見逃してませんか?
しかし、本当はもらえる年金があるのに、手続きをしていないためにもらえなくなってしまうかもしれません。
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。
日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。
働いているからもらえなくなるとは限らない
仕事をしていると、あるいは収入が高いと年金がもらえないと思って、年金事務所等への老齢年金の請求手続きをしていない人もいるでしょう。
しかし、年金が支給されないのは、例えば、年金を受け取る年齢になって以降在職し、厚生年金加入中の場合です(在職老齢年金制度による支給停止)。厚生年金加入中で給与や賞与の額が高ければ報酬比例部分の老齢厚生年金が1円も支給されないこともありますが、厚生年金に加入せず、自営業で仕事をしている場合や不動産収入がある場合は、収入が多くても、当該年金は支給されることになります。
また、65歳以降厚生年金に加入していても、老齢基礎年金、老齢厚生年金の経過的加算額(老齢基礎年金に相当するとされている加算部分です)については給与・賞与の額に関係なく、受け取ることができます(【図表1】)。
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年金には時効がある
年金には5年の時効が定められています。受給できる年齢になって5年をかなり過ぎてから請求手続きすると、原則、過去5年分の年金はさかのぼって受け取れても、それよりも前の分が受け取れないことになります(【図表2】)。
「働いていても実はもらえた年金を、手続きが遅かったために受け取れなくなった」ということになり、言い換えますと、「60歳から受け取れる年金を60歳になった時に請求手続きをしていた場合は、時効にかかることもなかった」ということになります。
時効にかからないよう請求手続きは早めに
年金を受け取るためには、一度、請求手続きをしなければならないことには変わりありません。
5年の時効にかかって受け取れない年金が出てしまうことを確実に防ぐためにも、受け取るために必要な資格期間(10年以上の保険料納付・免除等)を満たし、受け取れる年齢に達している方はなるべく早めに年金の請求手続きをしたほうが良いでしょう。
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー