更新日: 2023.09.30 国民年金

就職活動中の「無職」です。国民年金の負担を減らす方法を教えてください。

就職活動中の「無職」です。国民年金の負担を減らす方法を教えてください。
「無職期間中は国民年金の負担が重い」とよく耳にします。特に、就職活動をしており交通費や証明写真代など出費がかさむと、なおさら負担が重く感じられるようです。
 
そこで、就職活動中に行える、国民年金の負担を減らす方法について解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

無職なのに年金を払わなければならないの?

日本の国民年金は、原則20歳以上60歳未満の全ての人が加入することになっています。たとえ無職で収入が0円であったとしても、国民年金に加入し、保険料を支払わなければなりません。
 
令和5年度における国民年金保険料は月額1万6520円です。年間では20万円近い額になり、無職の方にとってこの負担は決して小さくないでしょう。
 
だからといって、「現在は就職活動中だけど、就職が決まったら厚生年金に加入するから、無職の間は国民年金保険料を払わなくてよいだろう」と考えていると、その間は未納や滞納扱いとなってしまい、将来の老齢基礎年金受給額が下がるなど、悪い影響を及ぼす可能性があります。
 

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無職期間中の負担を減らすには?

無職期間中の国民年金保険料の負担は減らすことができます。それは、国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度を利用することです。
 
この制度を利用することによって、保険料の納付の免除や猶予を受けることができます。免除とは、本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合など国民年金保険料納付が困難となるとき、申請によって保険料が免除されるものです。
 
免除や猶予の判定については通常、世帯主・配偶者の他、本人の所得も審査されますが、会社を退職している方は「失業等による特例免除」によって、本人の前年所得に関係なく、免除や猶予を受けることができるようになっています。
 
図表1

図表1

出典:日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 

免除や猶予の効果は?

免除と猶予の違いについて確認しておきましょう。例えば、全額免除された期間は将来老齢基礎年金を受け取る際に、満額納めた場合の2分の1の額で計算されます。
 
しかし、猶予中の期間については、老齢基礎年金の支給額を計算するに当たり、算入されません。将来老齢基礎年金を満額受け取ろうとする場合、10年以内に追納をする必要があります。10年を超えると追納ができなくなり、老齢基礎年金を満額受け取ることができない可能性があります。
 
例えば、全額免除された場合に収める保険料の額は0円となります。しかし、免除されて納めなかった1万6520円を10年以内に追納しなければ、将来老齢基礎年金を満額受け取れない、ということです。
 
図表2

図表2

出典:日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
なお、猶予・免除ともに老齢基礎年金の受給資格を判定するための、いわゆる「保険料納付期間」に含んだ上で、年金受給額が計算されます。
 

手続きはどこでどうする?

免除や猶予の手続きの際は、住民登録している市区町村役場ないし近くの年金事務所にて、雇用保険受給資格者証(雇用保険の被保険者であった場合)や総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写しなどを、申請書とともに提出します。
 
手続きは直接持参するほか、郵送にて行えます。詳細については、市区町村役場や年金事務所へ問い合わせてみてください。
 

まとめ

就職活動中の無職期間であっても、年20万円弱の国民年金保険料は負担する必要があります。
 
今は就職活動中だからと保険料の支払いを滞らせてしまうと、将来受け取る老齢基礎年金に影響を及ぼします。負担が重いという場合は、免除や猶予によって軽減することも可能です。
 
国民年金保険料の負担が重いという場合、まずは住民登録している市区町村役場ないし最寄りの年金事務所へ相談してみてください。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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