更新日: 2023.10.04 その他年金
「卒婚します!」年金分割で妻の年金はどうなる?
年金分割には、対象となる年金とならない年金、請求期限などが存在するため、卒婚を考えている方は、早い段階でこれらの内容を理解しておくことが重要です。
本記事では、年金分割の仕組みや種類、注意点などについて詳しく解説します。年金分割の仕組みや注意点を理解して、今後の手続きを円滑に進めるための参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金分割とは
年金分割とは、婚姻期間中に支払った保険料に基づいて、厚生年金(老齢厚生年金)を分割できる仕組みです。分割された厚生年金は、それぞれが自身の年金として受け取ることができます。
ただし、年金分割は婚姻期間中に支払った保険料に対応する年金を分割するものであり、将来の年金額そのものが分割されるわけではありません。
年金分割を行う場合には、年金事務所または年金相談センターで手続きを行う必要があります。
対象となる年金
年金分割の対象は、厚生年金に限られています。国民年金(老齢基礎年金)については、年金分割の対象外となるので注意が必要です。
したがって、自営業者などの第1号被保険者で、婚姻期間中に厚生年金に加入していない場合、年金分割は行えません。年金分割は、婚姻期間中に第2号被保険者(会社員など)であった場合に限られます。
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年金分割の種類
年金分割は、合意分割と3号分割の2種類があります。合意分割は夫婦の一方または双方が手続きを行い、3者分割は国民年金第3号被保険者である方からの請求に基づいて行われます。
それぞれの分割方法について理解しておくことで、手続きを円滑に進めることができるでしょう。
本項では、合意分割と3号分割の内容について紹介します。
合意分割
合意分割とは、夫婦の一方または双方が行う手続きによって、年金を分割する方法です。分割の割り合いは、夫婦間の合意に基づくことが基本ですが、合意にいたらなかった場合などは裁判手続きによって決定されることもあります。
3号分割
3号分割とは、国民年金第3号被保険者であった方からの請求手続きにより、年金を分割する方法です。相手方の保険料納付記録を2分の1ずつ分割できます。なお、平成20年4月1日以後の国民年金第3号被保険者期間中の保険料納付記録に限られます。
年金分割に関する注意点
年金分割を検討している場合、請求には期限があることに留意してください。通常、請求期限は2年間となっており、期限を過ぎると年金分割ができない可能性があります。また、年金分割の対象は、婚姻期間中のみです。これらの注意点を事前に理解しておくことは重要です。
本項では、年金分割に関する注意点について見ていきましょう。
請求期限がある
年金分割の請求期限は、原則2年(離婚等(※1)した日の翌日から起算)です。2年を過ぎると、年金分割の請求ができなくなるので注意しましょう。
ただし、離婚から2年以内に「審判申立」や「調停申立」を行い、請求期限が過ぎ、本来請求期限経過日前の6ヶ月以内に審判や調停が確定・成立した場合には、その日の翌日から起算して6ヶ月経過するまで請求が可能です。また、離婚後、相手が亡くなった場合には、その日から起算して1ヶ月を経過すると請求はできません。(※2)
※1.離婚等とは…離婚、婚姻の取り消し、事実婚関係の解消
※2.詳しくは年金事務所にお問い合わせください。
年金分割の対象期間は婚姻期間中のみ
年金分割は、婚姻期間中に支払った保険料に基づいて、厚生年金を分割する制度です。したがって、婚姻前や離婚後の期間については対象外となります。年金分割は、婚姻期間中に限られることを理解しておきましょう。
年金分割によって卒婚後に年金を分けることができる
卒婚した場合、年金分割によって婚姻期間中に支払った保険料に基づいて、厚生年金を分割することができます。ただし、分割の対象は厚生年金のみであり、国民年金は対象外です。また、年金分割が適用される期間は婚姻期間中であり、婚姻前や離婚後は対象外です。
請求期限は原則として2年間となるため、卒婚したい、またはすでに卒婚をした場合は早めに請求手続きを行うことが重要です。
出典
法務省 年金分割
日本年金機構 離婚時の年金分割
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー