更新日: 2023.10.11 その他年金
年金「月18万円」を受け取るのはハードルが高い!? 現役時代の年収はいくら必要なの?
しかし、老齢厚生年金の受給額は納めた保険料によって決まるため、年金を月18万円受け取るには現役時代にそれなりの保険料を納めていなければなりません。
そこで今回は、現役時代の年収がいくらだったら年金が月18万円になるのか、足りない場合はどうすればよいのかについて、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年金を月18万円受け取れる人とは?
老齢厚生年金の受給額は納めた厚生年金の保険料によって決まります。老齢厚生年金の大部分を占める報酬比例部分の計算式は、平成15年3月までの加入期間で「平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月までの加入期間」、平成15年4月以降は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以後の加入期間」です。
仮に令和5年現在で20歳の人が40年間厚生年金に加入し、ボーナスはなし、老齢基礎年金は満額受給できるとしましょう。その場合、老齢基礎年金は令和5年度で満額月6万6250円のため、毎月18万円の年金を受け取るためには「18万円-6万6250円」で老齢厚生年金を月額11万3750円、年間で136万5000円受給できなければなりません。
このことを先程の計算式に当てはめると「平均標準報酬額×5.481÷1000×480ヶ月(40年)=136万5000円」になり、平均標準報酬額は51万8837円になります。年収だと622万6044円です。厚生年金に加入していた期間の年収が平均で623万円程度だった場合、年金を月18万円受け取れる、ということになります。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
足りない場合はどうすればいい?
平均年収が623万円にはなりそうない、という人もいるでしょう。その場合に考えられる方法としてまず挙げられるのは、年金の繰下げ受給です。繰下げ受給とは、66歳から75歳までの間に受給時期を遅らせると、その分本来受給できる額に一定の乗率が加算される、という制度です。
仮に1年間受給時期を遅らせて66歳から年金を受給した場合、受給額が8.4%加算されます。70歳まで遅らせれば、42%加算されます。この制度は老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらかだけを遅らせることも可能です。
もうひとつの方法は、老後も厚生年金に加入して働くことです。国民年金の加入期間は60歳までですが、厚生年金は原則70歳まで加入できます。そのため、60歳以降も要件を満たし厚生年金に加入し続ければ、それだけ受給額を増やすことができるというわけです。
例えば、月収20万円で5年間働いた場合、「20万円(標準報酬月額)×5.481÷1000×60ヶ月(5年)」で6万5772円となるため、65歳以降に月あたり5481円受給額を増やせます。
在職老齢年金についても把握しておこう!
ただし、60歳以降も厚生年金に加入して働く場合には、在職老齢年金制度についてしっかり把握しておきましょう。在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受給しながら厚生年金に加入して働く場合、収入額によって年金額が減額されたり支給停止になったりする、という制度です。
在職老齢年金は老齢厚生年金の報酬比例部分である基本月額と、その月の標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の合計を足して12で割った額(総報酬月額相当額)が48万円以上になった場合に適用されます。適用された場合の調整額の計算式は「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2」です。
例えば、基本月額が15万円で総報酬月額相当額が34万円だった場合、「15万円-(15万円+34万円-48万円)÷2」で7万円が基本月額から差し引かれます。つまり、老齢厚生年金の報酬比例部分が15万円から8万円になってしまうのです。
年収が足りない場合には繰下げ受給や再就職を検討しよう!
年金を月18万円受給するためには、厚生年金に加入していた期間の平均年収が623万円程度必要です。足りない場合には、繰下げ受給を選択したり、60歳以降も働いたりして受給額を増やしましょう。
ただし、月収によっては年金が減額されたり、支給停止になってしまったりする可能性があるため、老後も働く場合には在職老齢年金制度に気をつけるようにしましょう。
出典
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー