更新日: 2023.10.14 その他年金
年収320万、年金機構から「差し押さえ」の手紙が届きました…賃貸で貯金もないのですが、これからどうなるのでしょうか…?
そこで今回は、年金保険料が支払えないときはどうすればよいのか、その対処法や未納のリスクについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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差押えになる基準と未納のリスクとは?
差押えの対象は、年間所得が300万円以上かつ未納期間が7ヶ月以上あることです。ただし、これらはあくまで目安であり、今後変化する可能性もあります。
日本年金機構によると令和4年度の差押えの執行件数は866件で、差押えの対象となるものは銀行預金、給与、不動産、自動車、貯蓄型保険、証券、債券などです。年金に関しては裁判所を通すことなく年金事務所や市役所が手続きを進められるため、「差押予告通知書」の期限が過ぎればすぐに差押えが行われます。
保険料の未納をそのままにしているリスクは、財産の差押えだけではありません。国民年金を受給するためには資格期間が10年以上必要です。また、年金の金額は納付した期間に応じて決まるので、未納期間が長いと将来受け取れる年金が減ってしまいます。
また、障害基礎年金を受給したい場合にも、国民年金の納付済み期間がチェックされます。障害の原因となった病気やけがの初診日の前日から初診日のある月の前々月前までの被保険者期間内に、保険料の納付済み期間と免除期間の合計が3分の2以上必要です。遺族年金では納付済み期間、免除期間、合算対象期間をあわせて25年以上なければ受けとることができません。
さらに、年金は「非免責債権」であることから自己破産したとしても滞納分は免除されず、いかなる状況であっても支払わなければならないお金となっています。
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支払えない時の対策は?
国民年金保険料の支払いが難しいときは、申請すれば支払いの免除や猶予をしてもらえる場合があります。条件は退職や失業、働いてはいるが収入が一定額より少ない、産前産後といったケースです。
保険料は、前年度の所得をゼロとする「特例免除」、収入が少ない人に対する「全額免除」「一部免除(4分の3、半額、4分の1の3種類)」と、所得や条件によって免除される金額が異なってきます。妊婦であれば、出産予定日または出産日の前月から4ヶ月間で、多胎妊娠はこれより長い期間支払いを免除されます。
また、保険料の「納付猶予」の制度もあります。まずは、住んでいる地域の市役所や年金事務所で相談し、申請書類を提出するようにしましょう。
「未納期間があると、将来の年金受取額が減ってしまうから分割払いしたい」という人もいるでしょう。延滞分の分割払いは1ヶ月単位であればできるので、免除手続きをしたくない場合は分割払いを申請するようにしましょう。
支払いが難しいときは、すぐに申請手続きをしよう
国民年金保険料の未納があると、電話や封筒、特別催告状、最終催告状が届き、それでも放置していると督促状、最終の差押予告通知書が送られてきて、期限が切れると財産の差押えとなります。年金の支払いから逃れることはできず、世帯主や配偶者にも連帯責任としてその給料が差し押さえられます。
支払いが難しいときは、先延ばしにせずに最寄りの市役所や年金事務所の相談し、免除や猶予の手続きを進めましょう。
出典
厚生労働省 令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況
日本年金機構 日本年金機構の令和4年度の取組状況について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー