35歳から専業主婦です。会社員として働いていたのは10年間ですが、「将来の年金額」はどのくらいになりますか?
配信日: 2023.10.20
本記事では、10年間会社員として働き、その後60歳まで専業主婦として国民年金に加入し続けた場合の年金受給額を試算します。
執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種
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年金受給額の計算方法
年金制度は1階部分が「国民年金」、2階部分が「厚生年金」の2階建て構造です。国民年金は日本に居住する20歳以上60歳未満の全ての人が加入します。一方の厚生年金は会社員や公務員など「第2号被保険者」が加入する年金です。これらの年金は原則65歳から受給開始となります。
次項では、モデルケースとして、25歳までは学生、その後10年間会社員として働き、60歳まで専業主婦として国民年金に加入し続けた場合の年金受給額を試算していきます。
モデルケースの設定は次のとおりです。
●第1号被保険者期間(国民年金):5年
●会社員期間:10年間
●会社員時代の平均年収:314万円
●平均標準報酬額:26万円
●専業主婦期間:25年
国民年金(老齢基礎年金)は79万5000円
会社員から専業主婦(夫)になり、会社員である配偶者の扶養に入る場合、国民年金制度の被保険者区分が第3号被保険者に変更となります。国民年金の受給額は加入期間によって変動し、満額は加入期間40年(480ヶ月)で79万5000円(2023年度4月分からの年金額)です。
今回のケースでは第1号非被保険者期間として5年間、会社員で10年間、35歳から専業主婦として25年間の合計40年間加入したことになるため、年間で満額79万5000円を受給できます。
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厚生年金の受給額は約17万1000円
次に厚生年金の受給額を試算していきます。厚生年金の計算方法は次のとおりです。
●2003年3月以前:平均標準報酬月額×(7.125/1000)×加入月数
●2003年4月以降以後:平均標準報酬額×(5.481/1000)×加入月数
今回の試算では、2003年4月以降以後の計算式に基づいて計算します。
それでは、モデルケースの設定を厚生年金の計算式に当てはめてみましょう。
26万円×(5.481/1000)×120月(10年)=17万1000円
厚生年金は約17万1000円となります。国民年金と合計すると79万5000円(国民年金)と17万1000円(厚生年金)で年金受給額は96万6000円です。
現状の年金では不十分と感じたら早めの対策を
10年間会社員として働き、その後60歳まで専業主婦として国民年金に加入し続けた場合の年金受給額を試算しました。国民年金は79万5000円、厚生年金は17万1000円で年金受給額は96万6000円となり、1ヶ月に換算すると約8万円です。
仮に夫の年金受給額が、男性の平均である約16万3000円とすると、老後は夫婦で毎月24万3000円の収入で生活することになります。この金額であれば、老後も比較的安心して生活していけそうと感じる人もいるでしょう。
しかし、老後の年金収入は現役時代の年収に比べて大きく減少する傾向にあるため、現役時代と同じ生活スタイルを維持してしまうと、老後資金があっという間に枯渇するリスクがあります。そのため、年金生活に入る前に支出の見直しを実施し、年金収入だけでやりくりできるようなライフスタイルを構築しておくことが重要です。
出典
日本年金機構 公的年金制度の種類と加入する制度
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行報酬比例部分
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種