更新日: 2023.10.28 その他年金

年金を繰下げると月0.7%増えるようです。自分で資産運用するのとどっちがトクですか?

年金を繰下げると月0.7%増えるようです。自分で資産運用するのとどっちがトクですか?
65歳で受け取りが可能な年金は、繰下げ受給によって66〜75歳までの間に遅らせれば、1ヶ月につき0.7%の増額率が適用されます。最大84%にまで年金額を増やすことが可能ですが、繰下げ受給をするよりも受給額分を運用したほうがよいのではないかと考える人もいることでしょう。
 
本記事では、繰下げ受給の制度概要をはじめ、繰下げ受給をせずに運用した場合に履歴を出せるのかなどについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金が増える繰下げ受給とはどんな制度?

繰下げ受給とは、65歳から年金を受け取らないで66歳以降75歳までに遅らせて年金額を増やせる制度です。年金の受取開始時期を1ヶ月遅らせるごとに0.7%の増減率が適用され、75歳まで繰下げた場合は最大84%まで増やせます。
 
なお、繰下げ受給は、公的年金のうち老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらか一方のみを繰下げることが可能です。老齢基礎年金は65歳から受け取る、老齢厚生年金は繰下げ受給によって70歳から受け取るといった選択もできます。
 
繰下げ受給と混同しがちなのが繰上げ受給ですが、仕組みは異なるので注意してください。繰上げ受給は年金を60~65歳になるまでの間に前倒して受け取り、1ヶ月につき0.4%の減額率が適用されます。
 
また、繰下げ受給とは異なり、老齢基礎年金と老齢厚生年金のいずれかではなく、両方とも繰上げて受け取らなければなりません。
 

繰下げ受給の注意点

繰下げ受給の待機期間中に年金受給権者が死亡した場合、遺族が未支給年金を支給できますが、その際には増額分の受け取りができません。また、年金額が高くなると所得に応じて税金や社会保険料を支払わなければならないので、いつまで繰下げればよいのかは慎重に判断する必要があります。
 
なお、年金の繰下げ受給によって適用された増額率は、生涯にわたって継続します。制度変更などを理由に、増減率を引き下げられるといったことはありませんので、安心してください。
 

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運用で安定して年8.4%の利益を出すのは難しい

繰下げ受給によって、年金の受取開始時期を1年間遅らせた場合の増額率は8.4%です。しかし、運用で年8.4%の利益を出せる可能性は低く、出せたとしても非常に稀なケースとなるでしょう。運用は気軽に始められますが、安定して利益を出すとなると以下の観点から困難な可能性が高いからです。


・運用に使った金額を取り戻せないリスクが高い
・運用で利益を出すには十分な知識が求められる

それぞれの内容について解説します。
 

運用に使った金額を取り戻せないリスクが高い

運用には、株式投資や投資信託、国債、FX、不動産などさまざまな種類がありますが、いずれも元本保証ではないので注意が必要です。
 
運用の実績によっては元本割れという、運用に使ったお金を失うケースも十分に有り得ます。運用をする際には、リスクが付きものであることを理解したうえで、分散投資などの方法も検討しましょう。
 

運用で利益を出すには十分な知識が求められる

運用をして利益を出すのであれば、運用の種類をはじめ、リスク管理や経済的動向、分散投資、元本割れや損切りルールなど、さまざまな知識を習得することは必須条件です。
 
運用について学ぶ方法は、スマートフォンやパソコンを使用しての情報収集、運用に詳しい人に教えてもらう、運用に関する書籍をチェックするなどの方法があります。
 
ただし、運用に関する知識がまったくないなど、少しでも効率良く学びたい場合はセミナー参加を検討してみるとよいでしょう。多岐多様なテーマでセミナーを開催しており、不明点は講師に直接質問できる場合もあります。
 

運用よりも繰下げ受給で増額分の年金を受け取るほうが安心度は高い

年金の繰下げ受給によって年金の受取開始時期を遅らせれば、1ヶ月につき0.7%、1年で8.4%の増額率が適用されます。ただし、繰下げ受給の待機期間中に受給権者が死亡するケースもあるなど、長生きする自信がない人には適していない方法かもしれません。
 
しかし、年金の繰下げ受給なら年金額を年8.4%増やせるので、安定して手元に残せるお金を増やしたい、確保したい人に適した方法といえるでしょう。
 

出典

年金の繰下げ受給 日本年金機構
年金の繰上げ受給 日本年金機構
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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