58歳のパート主婦ですが、年金の未納が「4年分」あります。パート先の社会保険に加入して「65歳」まで働けば、国民年金は満額もらえるでしょうか…?
配信日: 2023.12.23
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老齢基礎年金を満額受け取るために必要な納付期間は?
国民年金加入可能期間は20歳から60歳までの40年間で、国民年金保険料を40年間支払った人が65歳から受け取れる老齢基礎年金(満額)は令和5年度で「年間79万5000円」です。
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年金を満額に近づけるための方法は?
60歳になった時点で年金保険料納付済み期間が40年に満たなかった場合には老齢基礎年金は満額受け取れませんが、対策方法があります。老齢基礎年金を満額に近づける方法として60歳から国民年金に加入する「任意加入」制度があり、年金保険料を納めて満額に近づけることができます。
<試算例>
(1)国民年金の納付期間が36年(未納期間が4年)での老齢基礎年金見込み額(年額)
老齢基礎年金満額79万5000円×加入期間36年×12月÷480=71万5500円
(2)4年間、任意加入した場合の老齢基礎年金の増加見込み額
※4年間の納付金額:令和5年度の国民年金保険料月額1万6520円×48月=79万2960円
79万5000円×48月÷480=増加見込み額7万9500円
基礎年金見込み額71万5500円+任意加入増加見込み額7万9500円=79万5000円
この制度のデメリットは、厚生年金保険や共済組合などに加入している人は利用できないことです。
社会保険に加入して働き続けると、もらえる年金は増える?
60歳以降も社会保険に加入しても、60歳から65歳まで納めた分の厚生年金保険料は、老齢基礎年金に反映されません。代わりに老齢基礎年金に相当する部分を「経過的加算」として受け取れます。
働いて社会保険加入を続けると、老齢厚生年金(報酬比例部分)と経過的加算額も増えるため、老齢基礎年金だけより受け取れる年金額が増えるメリットがあります。どのくらい年金が増えそうかを試算します。
<試算例>
58歳から65歳まで月収12万円(賞与なし)で社会保険に加入した場合(厚生年金加入期間は60歳未満で24月、60歳から65歳まで60月)
(1)厚生年金額(年額)
平均標準月額11万8000円×(給付乗率5.481÷1000)×加入月数84月=約5万4327円
(2)経過的加算額(年額)
A:令和5年の厚生年金の定額単価(1657円)×厚生年金総加入月数(84月)=13万9188円
B:令和5年の老齢基礎年金満額(79万5000円)×20歳~60歳厚生年金加入月数(24月)÷480=3万9750円
(A)13万9188円-(B)3万9750円=約9万9438円
65歳から受け取れる老齢基礎年金71万5000円+老齢厚生年金額約5万4327円+経過的加算額約9万9438円=約86万8765円
試算すると、65歳まで厚生年金に加入し続けると老齢基礎年金の満額より多く受け取れる見込みになりました。
まとめ
国民年金に未納期間がある場合に将来の老齢年金額を増やすには、60歳以降に国民年金に任意加入する・または社会保険加入して働き続けるという2つの選択肢があります。家計の状況や何歳まで働けるかを考えて、できるだけ年金額を増やせるようにすると良いでしょう。
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 か行 経過的加算
厚生労働省 定額部分の単価
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー