更新日: 2024.01.05 その他年金

遺族の「年金不正受給」がよく事件になっていますが、親が亡くなったらどんな手続きが必要なのでしょうか?

遺族の「年金不正受給」がよく事件になっていますが、親が亡くなったらどんな手続きが必要なのでしょうか?
親が亡くなった場合に必要な手続きをせず、親が生存しているかのように装って、年金を不正に受給することは犯罪行為です。親が亡くなった場合は、すみやかに所定の手続きを行い、年金を停止しなければなりません。
 
本記事では、年金受給中の親が亡くなった際に、必要な手続きについて解説します。故人や遺族の状況によっては、未支給年金を受け取れる場合があることについても紹介します。年金受給中の家族が亡くなった場合の手続きについて理解を深めて、不正などの懸念事項を解消してください。
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親が亡くなったら死亡届の提出と年金の受給停止手続きが必要

年金を受給している親が亡くなった場合は、死亡届の提出が必要です。同時に、受給中の年金を停止させるためには、年金事務所や年金相談センターに「受給権者死亡届(報告書)」を提出する必要があります。
 
死亡届と受給権者死亡届(報告書)は異なる届出であるため、注意が必要です。これらの手続きを怠り、親が生存しているかのように装って年金を不正に受給することは、違法行為であり犯罪です。本項では、死亡届の提出方法と、年金の受給停止手続きについて紹介します。
 

死亡届の提出方法

死亡届は、亡くなったことを公に証明する書類であり、期日までに役所に提出する必要があります。死亡届は、役所の窓口で入手できますし、病院が提供してくれる場合もあります。
 
家族が亡くなったことを知った日から7日以内に、市区町村役所の窓口に提出が必要です。また、提出の際には、死亡診断書または死体検案書、届出人の身分証明書なども必要になります。
 

年金の受給停止手続き

年金を受給している家族が亡くなった場合は、年金事務所や年金相談センターに「受給権者死亡届(報告書)」を提出する必要があります。この手続きにより、年金の受給が停止されます。日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合は、受給権者死亡届(報告書)の提出を省略することが可能です。
 
また、亡くなった家族や遺族が特定の条件を満たす場合は、未支給年金を受給できる可能性があります。
 

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未支給年金を受給できる場合がある

亡くなった親が年金を受給していた場合、遺族は未支給年金を受け取れる可能性があります。未支給年金を受け取るには、必要書類を用意して、年金事務所などで請求手続きを行わなければなりません。
 
本項では、未支給年金の内容や受給対象者、手続き方法などについて詳しく見ていきましょう。
 

未支給年金とは

未受給年金とは、年金を受給している家族が亡くなった際に、未受給分の年金や、亡くなった日以降に振り込まれた年金のうち、亡くなった月分までの年金を指します。未支給年金については、特定の条件を満たす遺族が、請求に基づいて受け取ることができます。
 
未支給年金を受けるためには、「受給権者死亡届(報告書)」「未支給年金・未支払給付金請求書」の提出が必要です。
 

未支給年金を受け取れる方

未支給年金を受け取る資格があるのは、故人と生計を同じくしていた遺族です。未支給年金を受け取れる順位は、以下のとおりです。

1.配偶者
2.子ども
3.父母
4.孫
5.祖父母
6.兄弟姉妹
7.その他(上記以外の3親等内の親族)

3親等内の親族には、故人のおいやめいとその配偶者、ひ孫とその配偶者、曽祖父母、伯叔父母とその配偶者、配偶者の曽祖父母、配偶者のひ孫、配偶者のおい・めい、配偶者の伯叔父母などが含まれます。
 
上述の請求者が存在しない場合、未支給年金を請求することはできません。その場合、同居者や親戚の方が「受給権者死亡届(報告書)」のみを提出することになります。
 

未支給年金の手続き方法

未支給を受けるためには、請求書および必要書類を年金事務所か街角の年金相談センターに提出する必要があります。
 
手続きに必要な書類は、以下のとおりです。

●未支給年金・未支払給付金請求書
●故人の年金証書
●故人と請求者の続柄に関する確認書類(戸籍謄本など)
●故人と請求者が生計を同じくしていたことを証明できる書類(故人の住民票の除票および請求者の世帯全員の住民票の写し)
●未支給年金を受け取る際の金融機関の通帳

※故人や請求者の状況によって必要書類が異なる場合があります。詳しくは「ねんきんダイヤル」または、年金事務所にお尋ねください。
     

年金受給中の親族が亡くなった場合はすみやかに届出が必要

年金受給中の家族が亡くなった場合は、死亡届とは別に、受給権者死亡届(報告書)の手続きが必要です。これにより、年金受給を停止できます。
 
ただし、故人に未受給の年金がある場合は、特定の条件を満たす遺族が請求することで、受け取れる場合があります。年金を受給中の家族が亡くなった場合は、すみやかに必要な手続きをとりましょう。
 

出典

日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
法務省 死亡届
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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